恋煩い日記
2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。
[1212] [1211] [1210] [1209] [1208] [1207] [1206] [1205] [1204] [1203] [1202]
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
センター欠乏症
10/7(火) 現在定期メンテナンス中。
メンテが明けたら、センター争奪戦の結果が出る予定です。ドキドキしながら。
音羽主です。センター戦発表を待ちながら。
メンテが明けたら、センター争奪戦の結果が出る予定です。ドキドキしながら。
音羽主です。センター戦発表を待ちながら。
「慎之介さん、大丈夫……?」
「ん? 何が?」
「注文いただいたから、作って待っていたけどまさか一人とは思わなかったよ。食べ切れるの?」
「問題ないよ」
ランチサービス終了後の休憩中な彼女に、「今から行くから作って待っていて」と電話をしたのは僕だ。注文のメニューは伝えたけれど、一人で行くとも誰かと行くとも言っていない。
僕の座るテーブルの上には、さっき電話で注文したメニューができたての状態で乗せられている。
ドーナツに、スーパージャンボパフェ、フレンチクルーラーにみたらし団子、桃饅頭、タピオカ入りココナッツミルク。他にも、思いつく限りの甘いものをたくさん。見ているだけでも幸せな気持ちになってくる。
「美味しそう。いただきます」
「はい、召し上がれ」
休憩中の彼女には無理言って一緒にテーブルについてもらった。食べてもいいよ、と言ったけど「さっき賄いのお昼食べちゃったから」との返事。ちょっと残念。
まずは目の前にあるドーナツを手に取る。揚げたてみたいでまだほんのり温かい。
ぱくり、と口に入れるとサクッとした歯ごたえ。少しだけじゅわっと揚げ油の感覚がして、口の中に甘くて幸せな気持ちが広がっていく。
「うーん、美味しい!」
「ふふっ、よかった。ちょっと心配していたんだ」
「えっ、なにが?」
「ほら。センター争奪戦の所信表明で。甘いものが美味しくないって言っていたでしょ?」
「ああ、あれね」
親指についたドーナツの油をぺろり、と舐める。霧島くんに見られたら行儀が悪い、と怒られるだろうな。僕はドーナツのとなりにあったバニラパフェに手を伸ばす。
「センター争奪戦の投票期間も終わったから、甘いもの解禁なんだ。それに、このお店のスイーツはいつだっておいしい。美味しくないなんて思ったことないよ」
「そうなの? じゃあ、なんであんなこと……」
「ああやって言えば、みんな僕にいっぱい投票してくれるかなーって。……ああ、嘘じゃないよ? ここの以外の甘いものが美味しくないなって思ったのは本当だし」
慎之介さんって、意外と策士だよね、と彼女は言ったけれど、僕は「ん?」と聞かないふりをしておいた。僕がサクシだなんてそんな。誰でも思いつきそうな簡単な作戦だと思うけど。そう言えばトオルくんには「またアザトイ作戦やってんなー、音羽くん」とは言われた。
僕はバニラパフェの奥に置いてあったホットケーキの皿を引き寄せた。空になったバニラパフェの器を、彼女がそっと脇へ避けてくれる。
「そう言えば。君は投票してくれた?」
「え? うん。仕事の合間だから、ほんのちょっとだけどね」
「もちろん僕にだよね?」
「うん。当たり前だよ。でも、ときめきchに出ていた上位の人たち、本当にすごいね。私の票なんて本当にほんのちょっとだよ」
「たくさん投票してくれる人は本当にうれしい。みんなのためにも頑張ろうっていう気持ちになるしね」
投票数の多いファンの子には、何か特典があるんだって。ネットには速報が流れていて、伊達くんなんかはいつもそれをチェックしてた。「上位の票数だけじゃ大勢は決まらねえ。大事なのはレディースみんなの気持ちだからな」って、言ってた。僕もその通りだと思う。1000票をくれる子も、1票をくれる子も、僕をセンターにしたい、って思ってくれている気持はおんなじだ。
でも。僕は目の前に座っている彼女を見つめる。彼女がどのくらい票を入れてくれたのかはわからないけど、他の誰でもなく、僕を選んでくれた、その気持ちが本当にうれしい。
どうやったらこの気持ち、伝わるだろう。
「結果が出ないことには、まだ何も言えないけれどね。前回、隊長に逆転されちゃったの、本当は結構悔しかったんだ」
「そうなんだ。……うん。今度は勝てているといいね」
「うん。センターになった僕、きっとすごくカッコいいよ♡」
「ふふ!」
ホットケーキを食べ終わり、紅茶を口にする。まだまだ甘いものはなくならない。次は桜餅にした。
不破くんが見たらきっと倒れちゃうだろうな、こんな光景。僕は想像して少し笑った。不破くんの「肉は喰ってきた」っていう選挙ポスター、カッコよかったけどちょっと面白かった。
「でも、甘いもの断ちするのは辛かったし、少し悲しい気分になったからもうやらない」
「本当、みんな心配するからやめてね」
「はは。君に心配してもらえるならいいかも」
「もう! ダメだからね!」
「分かった分かった。 ごめん、紅茶のおかわり、くれる?」
「はい。少々お待ち下さいね~」
彼女は席を立ってキッチンに向かう。僕はそれを見送りながら、心配症と言えば魁斗のことを思い出す。あの所信表明インタビューが公表されたときに、真っ先に電話してきたのが魁斗だった。
「シンくん、病気とかじゃないだろうな!?」って必死な声で。
「大丈夫だよ~、今もバニラアイス食べてる」って嘘ついたら簡単に信じちゃったけど。ああいう純粋でまっすぐなとこに、みんな惹かれるんだろうなあ。
「お待たせしました」
「ありがとう」
僕が次の料理に手を伸ばそうとしたとき。
僕と彼女の携帯が同時に着信音を鳴らし、僕らは顔を見合わせた。
センター争奪戦、結果発表だ……!
PR
この記事にコメントする
← ウェディング妄想 HOME 傷なんて舐めときゃ治る? →
カウンター
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
フリーエリア
いろんな意味で引かないでね、な本棚 ↓
カテゴリー
最新コメント
[02/03 ゆうき]
[02/03 つぶ]
[09/13 ゆうき]
[09/12 ミカモ]
[09/10 ゆうき]
[09/09 ミカモ]
最新記事
(01/01)
(01/15)
(11/27)
(11/06)
(11/06)
(10/14)
(10/11)
(10/09)
(10/07)
(08/28)
ブログ内検索