恋煩い日記
2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。
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どうしても書きたかった その2
本当は昨日書きたかったけど、予想外に霧島くんが長くなってしまったので、今日に持ち越しになった音羽くん。
昨日と同様、【シンデレラ・エスコート】のイベントを見ている前提での創作話です。
昨日と同様、【シンデレラ・エスコート】のイベントを見ている前提での創作話です。
(ここではない、どこかへ)
「来ちゃった♪」
と言った時の彼女の顔。あれは、好きな顔ベストテンに入るな。
本当はこんなの、ルール違反だって分かってる。帰ったらきっと隊長に怒られる(というか、今既にポケットの中でケイタイがエンドレスバイブレーションしてる。無視してるけど)し、それくらい僕だって分かってる。
でも、やっぱり我慢できなかったんだから仕方がない。会いたくて、顔が見たくて、しかたがなかった。
今、彼女はタクシーの中、僕の隣に座っている。
仕事中に半ば強引に連れ出してきたから、着飾ることもままならなかった。せめて、と言われていつものコック服から少し大人しめのワンピースに着替え、お化粧を直して彼女は出てきた。
ちらり、と車内のバックミラーを見る。ホテルを出たときから乗せてもらったドライバーさんは真っ直ぐに前を見ていて、僕らのことは気にも留めていないようだった。
それでも、極力彼の視線の届かないところを見極めて、僕は隣にある彼女の手を握った。
小さくて、柔らかくて、暖かい手。彼女が顔をあげて、ちらっと僕のほうを見たけれど、僕はなにも言わずにただ手を握る力を強くした。
ホテルに戻りたくないな。
と、ふとそんな考えが頭をよぎる。
帰ったら、彼女と二人きりでいられない。霧島くんはきっと怒って僕をすぐに連れて「挨拶回り」に行こうとするだろうし、彼女が来たとなれば魁斗だってX.I.P.の三人だってすぐに近寄ってくるだろう。それだけじゃない。彼女は事務所のスタッフとも顔見知りだし、そうじゃない人だってたくさんいる。
今ならまだ、間にあう。
この無口で存在感を消してくれているドライバーさんに、「やっぱりホテルじゃなくて、別のところに行ってください」って言えばいいだけ。
そうしたら、僕は彼女と二人きりになれる。
誰にも邪魔されない。仕事にも。アイドルにも。隊長も、魁斗も、X.I.P.もマスターもレストランも関係ない。そんな場所に彼女を連れていって、そこでずっと二人で一緒にいるんだ。
ずっと、二人きりで愛し合うんだ。
それは、とても素敵な誘惑に思えた。
そんな風に僕が考えていると、つないでいた手が動いて、指と指が絡み合った。いわゆる、恋人つなぎというやつ。彼女の手にきゅぅっと力が入ったのを感じられて、僕は我に返る。
たとえ、二人きりになれる場所に行くことができたとしても、それじゃあ彼女は喜ばない。
(それじゃだめだ)
僕といて、幸せじゃない彼女なんて、いてはいけない。
そんなのは、僕の好きなあの子じゃない。
なんだかすごくつらいなあ。
なんとなく涙が出そうになって顔を上げると、もうはばたきグランドホテルは目の前に近づいていた。
別れ際に、「迎えに来てくれてありがとう、嬉しかった」と言われて、彼女が笑ってくれて。
それで僕は間違えなかったんだと安心した。
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