わかっててやってます

設定集届きました！
やっぱり公式燃料はいいですねぇ。　どのページをめくっても萌えしか見つからないのです。
それにしても、初期設定画やらなにやらを見ていると、みんなが今の姿形になってよかったなあと本当に思いました。


というわけでGS3萌えが来たのでついったーにも書いてしまたのだけど琉夏主話を続きに置いていきます。

（おくすり）
琉夏バンビ＝小泉双葉




「琉夏くん、具合どう？」

肩の上あたりで切りそろえられた栗色の髪が、階段の下からひょこっと顔を出すのを、琉夏はベットの上から眺めていた。
長袖のTシャツにハーフパンツ。脱色した長い髪は後ろで簡単に一つにまとめている。
膝の上には、さっき琥一の部屋から拝借してきたバイクの雑誌が広げられていた。琥一のようにバイクにすごく興味があるというわけではないけれど、単に退屈しのぎだ。

「双葉ちゃん。来てくれたんだ」

語尾にハートマークでも付きそうな、実際、琉夏としてはつけた気持だった。
具合が悪くてもへこんでいても、彼女の顔さえ見られればすべて帳消しになる。琉夏にとって彼女はそんな存在だった。

しかし、その本人は階段を上るとこちらまで歩いてきて、それから枕元に置きっぱなしの薬の袋を見て眉を吊り上げる。

「琉夏くん、お薬飲んでないの？」
「へ？　……ああ」
「なんで？　ちゃんとお薬飲んでねって、わたし、言ったよね？」
「え、だって、薬飲むほどチョーシ悪くないし。全然、平気だよ？」

確かに、昨日の夕方双葉がここから帰るときに薬を置いていった。
その時に言われたことも覚えている。「ご飯食べたら、お薬飲んでね。きっとね」　そう言われて、琉夏はいつもの調子で「うん、分かった」と答えたのだった。
琉夏の返事を聞いて安心したのか、笑顔で帰って行った双葉の顔を思い出す。……あれは、可愛かった。

しかし、今琉夏の目の前に立っている双葉は笑顔どころではなかった。

「平気じゃないでしょ？　それに、なんで起きてるの？　ちゃんと寝てなきゃだめだよ」
「ヘーキだって。ヒーローは、風邪なんか引かないんだ」
「そんなこと言って……。でも琉夏くん、顔赤いし、それに鼻声のヒーローはかっこよくないよ？」
「え、俺、鼻声？　そうかなぁ……」

琉夏が首をかしげると、双葉はこくんと頷いた。

「そっか。それはカッコよくないな……。あ。そうだ。それじゃあさ、双葉ちゃんが薬、飲ませてよ」
「えっ？」
「そしたら俺、ちゃんと薬飲めるよ。ほら、口移し」

枕元の薬を手に取り、双葉に差し出そうとする。
双葉はえっ、と言ったあと、一歩琉夏から遠ざかった。それを追いかけようと身を乗り出したら、膝の上からバイク雑誌が滑り落ちた。

「えっ……あの、わたし」

しろどもどろと顔を赤くして口ごもる双葉の様子に、思わず琉夏は我慢しきれずに噴き出してしまう。

「……なぁんてね！　冗談だよ！」
「…………ぇっ」
「あれ？　その反応……もしかして、本気にしちゃった？」

いつまでたってもこういう反応が抜けきらないところ。いつもいつもこう可愛い反応ばかり示されては、惚れるなという方が無理な話だ。
真っ赤になった双葉のほっぺたに、今すぐにでも口づけてやりたいと琉夏は思う。
立ち上がって、手を伸ばして捕まえて、抱きしめて押し倒してやりたい。

そんな琉夏の表情を見て、双葉はプイッと顔をそむけた。

「もうっ！　琉夏くんなんか知らないから！　熱が上がっても、看病なんかしてあげないから！」
「あはっ。ごめんごめん！」
「謝っても許さない！」
「ちゃんと薬飲むし、言うこと聞くから！　だから看病して。ね？」
「知らない知らない！」
「もー。双葉ちゃん！」

風邪が治ったら、ちゃんとお礼をしなきゃな。と琉夏は思う。
なにをしたら双葉が喜ぶか、そんなことを考えて、また幸せな気持ちで満たされる。

けれど……まずは今、双葉の機嫌を直す方が先決だ。

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終わり方がよくわからん。