恋煩い日記
2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。
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なぁんだ、簡単じゃないか。
あっ、というか、昨日また更新しました。パラレル赤城スッチャーデート編その4です。
デイジーちゃん視点のパラレルって、初めてでしたかね? ちがうかな?
天然っ子という設定のパラレルデイジーちゃんなんですが、内心かなり自覚してます。ちゃんと赤城のことが好きでデートとか来てるんですよ。けど天然だから言動がぼやーんとしてる……ということで。わたしの中では頑張ってます。
そして続きは志波さんのおはなし2編小ネタね。
お見舞いと、大接近記念で思いついたお話をちょろっと書かせてください。
「小春」
「うん? なぁに?」
「ちょっと、思い出したことがあるんだが」
「なぁに」
ちょっとしたときに、俺は少し試してみたいと思っていたことがあった。
小春はいつもの定位置(つまりは俺の膝の上)に座ってなにやら雑誌を読んでいた。俺はその小春の頭越しにテレビを眺めていたのだが、実際テレビ番組なんて見たくて見ているわけではなかった。
小春の手から雑誌を取り上げて、テーブルの上に閉じて置く。
そうしたら小春は上を見上げて、大きな目をぱちりと瞬いた
「志波くん、どうしたの」
俺はなんとなくその小春の頭に手を置いた。細くて、長い髪の感触をゆっくりと手のひらで感じる。
もう片方の手で、頬に触れた。やわらかくて、小さな顔。
「……? し、しばくん? なぁに?」
「いや……。思い出したんだ」
「だから、なにを?」
高校生のころだ。まだ、こいつに好きと告げる前のこと。
やたらと……そうだ。やたらと小春は俺に触ってきて。手やら顔やら髪やら。やめろと言っても「え? わたし、触ってた?」と無意識だと主張し、やり返すぞといっても「いいよー」と全くあっけらかんとしていて効果がなく、俺はちょっとした試練を受けているような気分だった。
一度だけ、言ったことがあるんだ。小春は覚えているのかどうか知らないが。俺は覚えている。あのころは、そのことばかり考えていたからだ。野球のことよりも、トレーニングのことよりも、小春のことばかり考えていたんだ。
「俺が同じことをしたらどうなるのかと思っただけだ」
「どうなるのかって?」
「お前の髪……顔……それから…………。 もういい」
……それから。
今の俺はそれをしても許される立場だ。と思う。…………たぶん。
「どうなるのか、見たいと思って」
「しばくん……?」
後ろから、背をかがめてゆっくりと口付けた。目を閉じて、時間をかけて味わって、そしてさらに倍くらいの時間をかけて体を離した。
小春は耳まで顔を真っ赤にして、大きな目を見開いていた。
「き、急にどうしたの……もう、志波くんってば」
「どうもこうも。 うん。小春のそういう顔が見たいと思ったから」
「なに言ってるのよう、どうしちゃったの?」
「……どうもしない。考えただけでもどうにかなりそうだったけど、実際してみると、さらにきついな……まったく」
「…………???」
この気持ちに、限度なんてあるのだろうか。もっと、もっとと望むばかりできりがなくて。
……それから。
この先小春がどうなるのか、また楽しみになった。
「うつせ。俺にうつせばお前は治るだろ」
……あ。これって。
志波くんのこのセリフ聞くの、二回目だ。
一回目は、高校生のとき。まだ、付き合っていないときだった。病気になってしまって、何日か学校を休んだときに志波くんがお見舞いに来てくれて、そのときに……。
「う、うつせって言われても……」
そんなのやだよ。だって、そうしたら今度は志波くんが風邪引いて、学校とか、部活だって、休まなくちゃいけなくなっちゃうし。それに毎日欠かさずやってるトレーニングだって休んじゃうし。
そんなのダメダメ! わたしは、ただの普通の学生だからいいけど、志波くんは普通じゃないんだから、絶対ダメだってば!
って言いたいんだけど、熱があって長くしゃべると咳き込んじゃうし、わたしは首を振って答えただけだった。
そしたら志波くんってば、なんだかすごく怖い顔してわたしのこと睨むんだもん!! どうしてー!?
「お前がそんなに辛そうにしてるの、見たくないんだ。ホントに、大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ……、お医者さまにも行ったし、薬ももらってきてるもん」
「けど、全然治らねえじゃねえか。薬、効いてんのか?」
志波くんは見たこともないくらいにオロオロしてて、ふふっ、ただの風邪なのに大げさなんだから。
やっぱり志波くんに会うと少し元気が出てくるような気がした。まだ、頭はぼぅっとするし、熱のせいで節々が痛かったりするけど。
「ふふっ……、そんなに、すぐに効き目は出ないよ」
「あー。 ……やっぱりうつせ、俺に」
「うつすって言ったって、そんなに簡単にうつらないでしょ……どうやるの?」
ちょっとだけ志波くんのこと、からかってみようかな。なんて思って、わたしはすこし軽口を言ってしまった。
そしたら! 急に志波くんがまじめな顔になって、どんどんわたしのほうに近づいてきた!
「そんなの、簡単だ……」
「ち、ちょっと……ダメ、ダメだってば、しばくん……っ!!」
ダメって、いったのに!!
熱があって何日も寝てばかりで体力がない ――というか、もともと志波くんの力になんかわたしが敵うわけがないんだけど、お布団ごとぎゅーって抱きしめられて、身動き取れなくなって、それで、それで……!!
たっ、たぶん、そのあとに見た志波くんの顔が潤んでぼやけて見えたのって、熱のせいで涙目になってただけじゃなかったとおもう……。
「ひっ、ひどいよ志波くん……」
「なにがだ。ひどくねえ。うつせと俺が言ったから、いいんだ」
しっ、舌なめずりとかしてるし……。
なんで満足そうなの、志波くんってば……ひぇーん!
数日後。
あの翌日に私はけろっとよくなった。だから本当に志波くんに風邪をうつしちゃったんじゃないかってすごくドキドキしてたのに、当の志波くんには全然そんな様子は見えない。
「あのー、志波くん?」
「なんだ?」
「風邪、うつってないの?」
「……ん? ああ。大丈夫だ。俺は風邪のウィルスになんか負けるようなヤワな身体じゃねえからな」
「そ、そうなの?」
「ああ。だから、うつせって言っただろ。まあ、…………役得ってやつだな。小春のウィルスだったら、これからもいくらでももらってやるぞ」
なっ、な…………、なにそれぇっ!!
あー。たのしかった。
なんかいろいろ文章がおかしい気がしますが、気にしない方向で……(気にしろよ!!)
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