恋煩い日記
2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。
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お手手つないで
下の記事で志波くんとかいったくせにゴメン、赤城です。
二日間考えていたシチュエーション萌え話。
自分だけが萌える展開になってないことを祈る。
まあ、別段それでもいいんだけど。
というわけで続きにちょろっと書きます。
二日間考えていたシチュエーション萌え話。
自分だけが萌える展開になってないことを祈る。
まあ、別段それでもいいんだけど。
というわけで続きにちょろっと書きます。
(お手手つないで)
またやってしまった、と思った時にはもう遅い。
「赤城くんって、ほんとうに人を怒らせる天才だよね? それ、特技として自慢してもいいと思うよ?」
って、結構君も辛辣なこと言っている気がするけど。
まあ、彼女のこんな言い方も、最近の僕は慣れつつあるけれどね。君も、僕の「一言余計癖」に慣れてくれてもいいと思う。
僕の心中なんかお構いなしで、彼女はプイと僕から顔をそむけると、ずんずん先へと歩いて行ってしまう。
「ゴメンって。なあ、待ってよ」
「しりませーん。彼女のこと大事にしてくれない赤城くんなんか」
「だから謝ってるだろ、ごめんってば」
「誠意が感じられません」
僕は彼女の後ろをついて歩く。怒ってはいるけれど、こうして会話には応じてくれるんだから、本気で怒っているというわけではなさそうで、少し安心した。
けれども、せっかくのデートだというのに彼女の背中を追いかけているだけでは面白くない。
奇しくもここはカップルが多く訪れている臨海公園の海沿いの煉瓦道で、今こうしている間にも僕たちは楽しそうにほほ笑みあう他のカップルとすれ違ったわけだが。
「――それ、面白そう~」
「じゃあ、来週見に行こうか、一緒に」
「うん! わーい、楽しみ~!」
盗み聞きというわけではないけれど、すれ違った彼らの会話が聞こえてくる。
ちらりと見ると、二人はぴったりとくっついて手をつないでいた。
……僕らとはずいぶん温度差があるもんだ、なんて皮肉たっぷりに思ったけれど、口に出す寸前で思いとどまった。
こうなった原因を作ったのは他ならぬ僕だし、こういう余計なことをまた言ったら、今度こそ彼女はへそを曲げてもう戻ってこないだろう。
皮肉をいう代わりに僕はもう一度謝罪の言葉を口にした。
確かに、僕の彼女は気が強い。
気が強いうえに恥ずかしがり屋だから、なお話がややこしくなる。
もちろん今までもそのくらいのことは分かっていたけれど、付き合い始めて、同じ時間をたくさん共有してからはその厄介さが身にしみて分かったような気がする。
たとえば、いまだに僕は彼女と手をつないだことがないし。
もちろん、僕だって何もしてないわけじゃない。けれど横に並んで歩いているとき、いい雰囲気だな、と思って手を伸ばすとその瞬間に彼女がカバンを僕側の手に持ちかえたり、髪をいじったりする。
「手をつないでもいい?」と聞いてみても、そういう話をするとなんだか真っ赤な顔で聞こえなかったふりをされるし。
こう何度も続くと、僕と手をつなぎたくないのかなあ、なんてよからぬ方向に行きついてしまいそうになるんだけれど、毎晩の電話や、メールにはちゃんと答えてくれるし、会った時も楽しそうにしているから嫌われたわけではないらしい。
しばらく考えて、きっと恥ずかしいんだ、とそう僕は結論づけることにした。
そういう子を相手にするには、きっと待っていたら一生手なんかつなげないだろうってことも、それだけじゃなくそれ以上のことだって死んでもできないに決まってることも、もう分かってる。
だから、半ば強引にでもこっちから主導権握るしかないってことも、もう何度も自分の中で確認したんだ。
「じゃあ、態度で誠意を示して見せようか?」
先を歩く彼女に合わせて、僕も速足で横に並ぶ。
顔を見ると、言っている意味が分からない、というような顔でこちらを見返していたから、僕はニッコリ笑ってやった。
「こういうこと」
彼女がそれと気がつく前に、さっと手を取る。慌てたのか、腕に力が入ったみたいだけれど気にせず引き寄せた。
それから、指の間に自分の指をからませる。いわゆる、恋人つなぎ、ってやつだ。さっきすれ違ったカップルがやっていた。さすがに、その上腕を組むなんていう高等技術はまだ先になりそうだけど。
「あれ? 黙っちゃった。もしかして、照れてる?」
「もう! 余計なこと言わなくていい!」
あはは、と僕は笑って彼女の赤い頬を見つめたけれど、そういう僕だって結構顔が熱くて、もしかしたら同じくらい顔が赤かったかもしれない。
手をつなぐ、ただそれだけでこんなに苦労してたら、この先が思いやられる。
ちょっと面倒くさいけれど、こうやって一つ一つをクリアしていくのも、彼女と一緒だったら楽しそうだな。
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