リベンジ

昨日、久しぶりに赤城小話をかいたんだけど、最後に余計なことをしようと思ったらすべて消してしまったんですよ。
悔しかったので、今日また思いだせる限り書いてみるよ。

ところでクリスくんのコミュノベ、あいつら絶対付き合ってるだろ。
「毎日一緒に帰ってる」って。それで付き合ってないわけがあるか！！
でもクリスくんからのメールは可愛い。

「まだ、早かったかな」
「そうだね……」
「おまけに寒くて花見どころじゃない」
「……ごっ、ごめんなさいね！　わたしがお花見に来たい、なんて言ったから」

どこか非難するような赤城の言葉を聞いて、つないでいた手を振り払った雪はずんずんと先に歩き始めた。

「ちょっと。待てよ。なに怒ってるんだよ」
「怒ってないもん！」
「怒ってるだろ」

後ろから赤城が追いかけるが、雪は振り返りもしないし立ち止まらない。

今週初め、はばたき市でも桜の開花が発表された。
それを聞いて雪はすぐに「お花見に行こう」と赤城に誘いのメールを送っていた。通常であればこの週末には満開を迎えるころだったのだが、今週は寒い日が続き、開花した桜はその後開かず、いまだ二分、三分咲きと言ったところだった。
それどころか、せっかくのデートだというのに今日は真冬のように寒く、二人とも真冬のコートにマフラーが手放せない。

赤城は前を歩いていく雪を後ろから追いかける。こちらからでは見えないけれど、今彼女がどういう顔をしているかは想像できる。
きっと、怒っているのに泣きそうな、それでほおっておけないような顔をしているんだ。

「ねぇ、待ってってば」
「待たないっ。早く帰りたいんでしょ？」
「……もう」

少し小走りになって、彼女に追いついた。
ひょいと顔を見ると予想通りの表情。その上

（うわぁ）

寒さのせいなのか、それとも別の理由なのか。ほっぺたと耳が真っ赤になっていて、こんな顔、他人になんか絶対に見せたくないと思ってしまう。
ふと、イタズラ心が芽生えてきて、赤城はコートのポケットに突っこんでいた両手を彼女のほっぺたにピタリと当ててみた。

「ひゃぁぁっ！！　なっ、なにするのよぅ！」
「うわ。冷たい。僕の手より君のほっぺのほうが冷たいよ」
「ちょ……こんなところで、なにするの……」
「なにって、だって君のほっぺ、暖かそうだったんだもん」

真っ赤になっていたから、あったかいんだと思ったのに手を当てた彼女の頬は冷たくて驚いた。

「それなのに、こんなに冷えてたなんて驚いた」
「……ちょ、ちょっと、どこ触ってるの」
「耳もこぉんな、冷たくなってる」
「なに？　……聞こえないよ」

赤城の手はするりと上に動いて、彼女の両耳をふさいでいた。
冷たくてほとんど感覚がなくなるほどだった耳がじわりと暖かくなってきて、彼女にはウルサイくらいにドキドキと鳴っている自分の心臓の音しか聞こえなくなってしまった。
戸惑ったように視線をずらそうとした彼女に、赤城はにこりと笑う。
そして、耳をふさいだ指の間からそっと囁いた。

「まだ花も咲いていないことだし、花見は来週にして、今日のところはどこか二人きりになれる暖かいところに行かない？」




――　よければ僕が暖めてあげるよ。

そういうと彼女のほっぺたはさっきまでとは違う意味で真っ赤になって、これだからホント、大好きだ。と赤城は思うのだった。

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なんか昨日書いてたのと違う話になった。まぁいいや。


昨日失敗したのは、この画像を張り付けたかったんですよ。
余計なことしなきゃよかった、って後悔しましたさ。


がんばれ桜、という写真。