草食系男子はそう呼ばれることを喜ばない

しかし彼は草食系男子の意味を分かってないんじゃないかと思う。
好きな野菜「草食系の僕はレタスです」とか言ってたし。別に草は食わなくてもいいのよ（笑）
それにしても仕事がらみで思いっきり食いつきたい話題が出てきたときに隠れオタって苦しいわ～、でもがっつり食いついてしまってもその後気まずいことになるということは想像しただけでもわかるので自重してます。そういうときにしらばっくれて知らないふりをする技術だけはレベルアップしていくな。



つづきは赤城。外で雨が降ってきたのでそんな話。

突然の雷、そして雨。雨宿りにと駆け込んだ店の軒先で赤城は濡れてしまった肩や袖をカバンから取り出したハンカチで乱暴にふき取った。少しくらいハンカチで拭いたからってどうになるものでもないほど濡れてしまっている。
一つため息をついて空を見上げるが、相変わらずときどき雷鳴が響き、そしてバケツをひっくり返したような雨。

（ハァ……やみそうもないな）


しばらく赤城がそうしてやまない雨を見つめながら一人で立っていると、そこに一人の少女が傘をさして通りかかった。
肩口あたりで栗色の髪を切りそろえた、少し小柄な印象のある同年代くらいの女の子だった。雨宿りしている男なんて別に珍しくもなんともないだろうに、なぜか赤城の目の前を通り過ぎる瞬間に目があった。

「あの……、もしよかったら、駅かコンビニまで、傘、入って行かれます？」

ばたたたたた、と少女の持つ傘が雨をはじく音がやけに大きく聞こえた。だから少女の声はそれほど大きくは聞こえなかった。けれども赤城は驚いたように目を見開いて、一瞬答えに迷った。

「……いや、ありがとう。でも、大丈夫」

赤城はできるだけ嫌味にならないように気をつけながらやんわりと断った。同じく嫌味にならないような笑顔も、ちゃんと出せていただろうか。
少女はそれを聞いてぱっ、と顔を伏せた。私、何を言ってるんだろう。見ず知らずの人にこんなふうに声をかけるなんて、おかしな子かと思われたかもしれない。そんな大胆な性格じゃなかったのに。

「ご、ごめんなさい！　余計なこと！」

そのまま傘でさらに顔を隠すようにして、少女は雨の中を走り去って行った。赤城はしばらくその後ろ姿をぼんやりと見つめた。悪いことをしたかな、などと心にもないことを一瞬思う。

（……まぁ、いいか。彼女以外の女性の傘に入ったなんて、万が一にも彼女に知られるわけにもいかないしね。それに……そろそろ）

ブルル、とポケットの中で携帯電話が着信を知らせた。

（ほらね。必ず迎えに来てくれる人がいることだし）

通話ボタンを押しながら、赤城は今度は自然に相好を崩した。

---

雨宿りをしている赤城はなんとなく声をかけなければいけないような、そのまま素通りしてはいけないような雰囲気を醸し出しているのだ、というはなし。

あのね、雨宿りの赤城はもうそれだけでなんというかさーーー！！言葉にならないよ！！
すべてはここから始まるんだ的な魔法みたいなそんなようなものがかかってるのだと思ってください！そういうことです！
（魔法にかけられてすでに一年以上経過した人が言うのだから間違いないと思います！）

新しいドラマと奇跡が始まるか？　と思わせておいて！　という感じで書けていたらいいなぁ。