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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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ガーリックの甘美なる誘惑

だいぶリハビリを続けたので、なんとなくテキストを書く感じが取り戻せてきたような、そんな気がします。


というわけで、これからあげるのはサイトにあげるにはあまりにもあんまりだ、と思ったお話。

赤主です。
注意書きをよく読んだ上で、許せる方はどうぞ。



・赤城×デイジー前提
・卒業後、大学生設定
・灯台に告白に来たのは佐伯、でも振られた
・佐伯とデイジーは今でも関係あり(大人な意味で)
・ぶっちゃけ、佐伯は当て馬です。

・今日は赤城は出てきません


いつもわたしが書いているのとはだいぶ雰囲気が違いますので、注意書き多くしてみた。
そして、7か6まで続く予定。……長っ!











(いつも、いつまでも)

1



チカチカと携帯電話のメール着信を知らせるランプに気がついて、内海雪はそれをぱくりと開いた。
慣れた手つきで受信していたメールを確認する。そして同時に少しだけ顔をしかめた。

(もう。いつも突然なんだから……部屋掃除したの、一昨日だよ……)

それでも手短にメールを返信し、携帯電話は机の上に置いたまま、とりあえず出しっぱなしの洗濯物だけはクローゼットにしまいこむことにした。

それほど時間がたたないうちに、インターフォンが鳴る。
テレビモニターをちらりと見て、そこに映っているのがメールの送り主だったことを確認すると、雪はインターフォンに向かって小さめの声で言った。

「入ってきてもいいよ」
「オーケー」

ガチャリ、と鍵の回る音。
合鍵まで持っているのにそれでも勝手に開けて入ってこないのは彼なりの気づかいというか、敢えてそこまでは踏み込まないようにしているのかもしれない、と思う。
もし、なし崩しに強引にされていたら、既成事実もあることだし雪も流されていたかもしれない。しかし彼はそうせずに雪の気持ちを優先してくれている。彼のそういう優しいところが雪は好きだった。

「突然ごめんな」
「別にいいよ、なにも予定ないの、知ってるでしょ」
「ま、それでも万が一てことがあるだろ」
「でも、どうしたの? こっちに来たいなんて、珍しいね」
「どうしたのは、こっちのセリフ」

部屋に入ってきた彼――佐伯瑛は、慣れた様子で部屋に入ってきて、ベッドの上に座った。まるで、そこが彼のいる定位置であるかのように。
「お茶いる?」と聞くと、「いらない」との答えだったので、雪は瑛の隣に座った。二人分の体重でベッドが沈む。

「わたし? なにもないよ?」
「ウソだろ。なんか今日、機嫌悪かったし」
「そんなことないってば」
「あのな。俺の目がごまかせると思うなよ」
「……すごいね、瑛くんは」

嘆息交じりに言うと、ぐい、と腰を引き寄せられた。

「伊達に、何年もお前のことばっかり見てないよ」

言う、佐伯の表情はあまり明るくはなかった。それに少しだけ――いや、少しどころではなく罪悪感を覚える。

「敵わないなぁ」
「なんかあったなら言えって、いつも言ってるだろ? それとも、俺はそんなに頼りないか?」
「そうじゃないけど……」
「だったら少しくらい……」
「だって」
「いいんだよ。俺がいいって言ってるんだから」

雪の腰を抱く佐伯の腕に力がこもる。半身に感じる佐伯の体温の高さに雪は驚いた。
佐伯の優しさに甘えたらだめだと思っているのに、そう決意するそばから佐伯は雪を甘やかす。だから、いつもそれに負けてしまう。
雪は少しだけ泣きたいような気分になりながら、口を開いた。

「告白されたの」
「またか」
「だって! わたし、なにもしてないもん!」
「なにもしないのが悪いんだろ。だから、俺を口実にしろって言ってるのに。変なとこでバカ正直だから、面倒なことになるんだ」

そんなことできるわけがない。と雪は思う。
一流大学に通うほとんどすべての女子の憧れの的、佐伯瑛をダシに使うなんて。

(しかも……、一度瑛くんをフッたくせに瑛くんの優しさに甘えてるようなわたしがそんなこと、許されるわけがない)

「お前は何も悪くない。悪いのはお前の心につけ込んでる俺なんだから」

佐伯の顔が近づいてくる。キスされる、と思うのと同時に唇が柔らかいもので塞がれた。

「……断ったよな?」
「な、なにが……?」
「告白」

必死にも見える佐伯の表情に、胸がズキリと痛む。
一体わたしは、佐伯くんをどこまで傷つけたら気がすむんだろう。佐伯くんは、どうしてこんなに許してくれるんだろう。

「もちろん断ったよ」
「そっか……。そうだよな。よかった……」

ふにゃ、と佐伯の表情が緩んだ。決して外では見せない本当の佐伯の笑顔。そして、もう一度柔らかくキスしてくる。
触れては離れ、離れてはまた触れる。くすぐったいような感触が何度か続いた後、少しだけかすれたような佐伯のささやき声が耳をくすぐった。

「……いい?」

返事はしなかった。けれど返事の代わりに佐伯の背中に腕をまわした。








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