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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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志波くんおめでとう! な話

ケーキを買ってきました。
証拠写真はのちほどUPります。まだ写真撮ってない。

で、志波くんの誕生日起動ボイスを聞いたら、小春がアンネリーでバイトしていたことと、自分がケーキを持って歩いているところでこんな話を思いついたので、まずは志波主で妄想する。
のちに赤主でも妄想します。
小春だったらどうかな―、とか、雪ちゃんだったらどうかな―、とか想像している過程が楽しいですよね。


というわけで、
もしかしたらこれがいちばん誕生日らしいかもしれない、しばこはの誕生日話。

11/22追記
アナスタシアのことをアンネリーと書いてましたorz
何を勘違いしたのか。現在修正済みです






(誕生日ケーキ)





アナスタシアの新作ケーキ。志波くん、喜んでくれるかな。
バイトが終わって、自分のためにとり置きしておいたケーキを買って、その袋を大事に手に持って小春は志波が待つ駅へと向かうバスに乗っていた。
本当は手作りケーキを作ってあげたかったけれど、この前新作として発表されたケーキを一目見た瞬間、なぜか小春は「これ、志波くんのケーキだ」と思った。
なにがどうかという理由なんて言葉では説明できないけれど、きっと誕生日の日に二人で一緒に食べることができたらとっても幸せだろうな。と思ったのだった。

バスの中は学生らしい人たちで少しばかり混んでいた。この時間はいつもこういう感じなので小春は少しだけ我慢して手すりにつかまっていた。ケーキの箱が傾かないように気をつけながら。
約束の時間には間にあいそう。アナスタシアを出るときにメールを確認したら「駅前で待っている」と志波からメールが届いていた。一緒に歩いて帰ることを想像するだけで、小春の心の中はほっこりと温かくなる。

バスが駅のターミナルに到着した。
人の流れに押されながら小春が出口まで向かおうとすると、今まで気がつかなかったが目の前に一人のお年寄りが立っていた。手提げのバッグと、大きな白い袋を手に持っている。
(あ。アナスタシアの袋だ。お客さんだったんだぁ)
少しだけ嬉しくなって小春はそのおばあさんの後ろについていたのだが、急にうしろからドン、と押されて少しだけよろける。
わぁっ。……なに? 思う間もなく、後ろから無理やり割り込んできた五、六人の若者の集団に弾き飛ばされるように横に押し出される格好になった。そして

(あっ、おばあさんが!!)

行儀の悪い若者たちは早くバスを降りようと急いでいたようで、大荷物を持っていたおばあさんにも小春にしたのと同じように列に割り込んでいく。
その勢いにおばあさんがよろける。

考えている暇なんかなかった。小春は夢中で手を差し出しておばあさんの体と、持っていたバッグを支える。

「わぁぁぁ。……だ、だいじょうぶですか?」

小春の体格ではきちんと支え切ることができなくて一緒になって二人でよろけながら、それでもなんとか転ぶことだけは避けることができた。
もちろん、おばあさんが持っていたバッグもアナスタシアの袋も無事だ。

「ああ……、ありがとうね。助かりましたよ」
「いえいえ。酷いですね、急にうしろから押すなんて」
「大丈夫よ。……あら」

おばあさんの視線がバスの床に落ちる。そこには無残にも横に倒れた小春の持っていたアナスタシアのケーキが入った袋。
夢中で手を出したから、袋からは手を離してしまっていたのだ。おまけにもうバスを降りて行ってしまった失礼な若者に少しだけ蹴飛ばされたかもしれない。袋は二人の少し前のほうに落ちていた。

「これ、貴方の? ケーキでしょう?」
「えっ……、あ。い、いいんです。大丈夫です! じ、自分で食べようと思って買っただけだから!」
「でも、悪いわよ、弁償させて?」
「いいです、いいです! そんなの!」

手提げカバンから財布を取り出そうとするおばあさんを制して、小春は慌ててケーキの袋を拾い上げるとバスの運転手にお金を払って逃げるようにその場から立ち去った。





ど、どど。どうしよう……。
おばあさんのお礼を断って逃げたのは、そんなに大したことじゃないと思ったからだ。悪いのはあの若者たちだし、おばあさんにお礼をしてもらうために助けたわけではないし。
……だって。アナスタシアのお客さんだったし。
それが嬉しかっただけで。おいしいケーキを食べてもらいたいと思っただけだった。

(でも……志波くんのケーキがぁ)

戻ってまたケーキを買い直すことはできない。
新作ケーキは人気があって、小春がバイトを上がった時にもう売り切れていた。そもそも、買い直すようなお小遣いはもう残っていない。
謝るしか、ないのかなぁ……。転んじゃったことにしよ……。
「お前は目を離すとすぐコケるからな、心配だ」 志波くんにはよく言われている。ちゃんと謝ればいつものように「仕方ねえな」といってくれるだろうか。
新作のケーキを楽しみにしていた志波の顔を思い出して小春の目には涙が浮かんだ。





「しばくぅぅぅん!!」
「わっ……、なんだ、小春、どうした」

待ち合わせ場所で待っていてくれた志波の顔を見たとたんに、やはり我慢が出来なくなって小春は泣き出した。
普段はこんなことめったにしないが、人前なのを忘れて志波の腰のあたりにしがみついてぐじぐじと言い訳を始める。

「えぇぇぇん。ごめんね、ごめんね」
「泣いてるだけじゃ分からねえ。何かあったのか?」
「うん、あのね……」

いきなり泣きつかれて志波は大いに困惑したが、もっと深刻で大変なことが起こったのかと心配しただけに「転んでケーキの箱を倒した」という小春に少し安心した。
彼女の頬に残る涙の跡を親指で軽く拭ってやる。くすぐったそうに眼を閉じた小春の顔が愛しかった。

「そんなことか」
「そ、そんなことって……」
「ケーキはまた買えば食えるし、それだって、食えなくなったわけじゃねえだろ」
「そ、そうだけど」
「お前がコケて、大怪我したりする方がよっぽど心配だ」
「う……、ごめんなさい」

うつむいてしまった小春の頭に、志波は自分の大きな手を乗せた。ぐりぐりと、少し乱暴になでるといつものように小春は「やぁん」と小さく非難の声をあげた。
そこへ、先ほどバスの中で小春が助けたお年寄りが通りかかった。小春の顔を見てすぐに声をかける。

「あら。貴方さっきの……」
「あっ、さっきのおばあさん!」
「さっきはありがとうね」
「いえいえ、いいんです」

志波は話がよくわからず、不思議そうな顔をして二人の様子を見ていた。
おばあさんは今度こそ財布を取り出して、千円札を何枚か小春に手渡そうとする。

「本当に、これじゃあお詫びにもならないけど、とっておいてちょうだい」
「いえ、本当にいいんです! おばあさんのケーキが無事だったから、わたし平気です」
「これ?」
「わたし、このお店で働いてるんです。バイトだけど。でも、ここのケーキが大好きで、それで、おばあさんが誰かと一緒においしいケーキを食べてくれたら、それでとっても嬉しいですから」

小春の言葉に、おばあさんは「今日は孫の誕生日なの。だからこれは誕生日ケーキ」と笑顔で教えてくれた。それで小春は志波と顔を見合わせる。

「志波くんも今日お誕生日なんですよ。一緒ですね」
「あら。それは素敵な偶然ね」
「じゃあ、誕生日ケーキ一緒に楽しんでください。おめでとうって、わたしからも伝えておいてくださいね」

小春は、いこう? と志波の腕を引っ張った。
おばあさんは志波の手に慌ててお金を掴ませて、少しだけいたずらっ子のように言った。

「可愛い彼女ね。これは、貴方へ。私からのお誕生日プレゼントだから。また、お店に行くって、伝えて頂戴ね」

蚊帳の外の志波はあとから真相を聞かされて、「だったら最初からそういえば良かったんだ」とつぶやいた。
いただいたお金は、小春から贈った誕生日プレゼントと一緒にして、使わないで大事に取っておこうと二人で決めた。
これを見るたびにきっと、誕生日の日にあった温かい思い出のことを思い出せる。









急いで書いたらよくわからないことに……。

二つ買った新作ケーキは、倒れたことで合体してしまって二人で一緒にフォークでつつきながら食べたとかだったら萌え。


ところでこのブログって行頭字下げが自動的にキャンセルされてしまうのです。読みにくいんだけど、どうしたらいいのかしら。いろいろいじってみる。

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