初めて会った日からずっと君だけを

更新しました……！！

どうしよう、はじめちゃったよ、はじめちゃったよ！
と、一人でドキドキしているのですが、よく考えたら今回全然赤城でてきてないな。赤主の話なのにな……！
というわけで、赤城の出てくるところまで早く進めたいなぁ、というのが願望です。

はじめたからには書ききりたいと思います。よろしくお付き合いください。

続きは赤主。いろいろ書いて試しているところ。

こんなのもあり？
（赤主　出会い）

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あーあ。今日はせっかくバイトもなかったのに、ついてない！

雨には降られるし、傘は持ってないし、おまけに変な男の子に意地悪言われて、雨の中ばしゃばしゃ走る羽目になるし。
頭の上に通学カバンを掲げて走る、走る。
一歩足を進めるたびにばしゃりと跳ねあがるつめたい水が足を、靴を濡らしている。
前を走る彼の足元はもっとひどいことになっていた。わたしはスカートだから靴下だけで済むけれど、彼の制服のズボンは色が変わるほどにぐしょぐしょになってしまっている。

はば学の制服もこうなっちゃ形無しだなぁ。

なんて、そんなのんきなことを考えている余裕があることにちょっとびっくりする。

「ねぇ！　そっちは遠回りだよ！」
「……えっ？」
「駅に行くなら、こっちの道の方がいいよ、早くつくから！」

大通りを駆け抜けようとする彼を引きとめて、裏路地を案内する。
こっちの方にはあまり来たことがないのかな。わたしは休日に買い物に来たりするのでこの辺の道には少しだけ詳しい。

ばしゃばしゃと走り続けて、ようやく駅にたどり着いた。

「助かったよ。君のおかげで、近道できた」
「少しくらい近道しても、もうおんなじだったかもしれないね」
「……かもな。これだけ濡れちゃえば、傘があってもなくても同じだな」

お互いぬれ鼠みたいになった格好を見て、少しだけ笑う。

「傘は……あった。けど……」

彼の視線の先、売店には残り一本だけになった傘。

「僕はいいから、君が買えよ」
「えっ、いいよ。もう、こんなに濡れちゃったし、そっちが買えば」
「いいって。譲ってやってるんだから、素直に受け取れば？」
「譲ってなんて頼んでないもん！」
「意地っ張りだなあ、本当に……」

また！！
ため息交じりにつぶやかれた「意地っ張り」にカチンとくる。
どうしてこう、この人は人の神経を逆なでするようなことばっかり言うんだろう！

「ねえ、意地っ張りって言い方はないんじゃない」
「意地っ張りだから意地っ張りだって言ったんだ、女の子は素直な方が可愛いぜ？」
「どうせ、わたしは可愛くないです、彼氏もいないし」

でも、初対面なのに、こんなにポンポン言いあいができるのもなんだか不思議なんだ。
相性がいい、とは思いたくないけれど、こういうのって、なんていうんだろう。

しかも、そんな不毛な言いあいをしているうちに残り一本だった傘はいつの間にか誰かに買われてしまっていて、結局わたしたちはただの濡れ損になってしまったのだった。

「……なあ、もうケンカの素もないことだし、そろそろやめにしないか」
「うん……、それもそうだね」
「なんだか、君って、変わった子だな。そう言われないか？」
「それを言うならそっちこそ」

ふくれっ面をしながらいうと、彼はぶっと盛大に噴き出して、そのままおなかを抱えて笑いだした。

「あはは……！　本当に君って意地っ張りなんだな！」
「な、なによぅ……」

三回目の「意地っ張り」は、なぜだかそんなに腹が立たなかった。それどころか、なぜか無性におかしくなってわたしも思い切り笑いだしてしまった。

「あはは、変なの！」
「君の方が変だ」
「そんなことないよ！」
「そんなことあるね」

あはははは、とわたしたちは駅のまんなかで、お互い頭から足の先までぐっしょり濡れて、二人でバカみたいに笑いあった。
周りの人たちが何事かという目で見ていたけれど、そんなの不思議と気にならなかった。

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なんだか不思議な出会いになってしまった……、ときめきに結びきそうもないな。
でもなんか可愛くていいな、こういうのも。