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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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11/15の赤城誕生日カウントダウンSS

今日の話は赤城主あんまり関係ないのでこっちのブログに書きます。

赤城主というよりは、志波デイジーの小春と赤城の話です。



つづき。
赤城と小春がなぜか一緒にいるよ!?




追記。
今日の仮/面/ラ/イ/ダ/ー/W/。 スイーツ(笑)
 





「こっ、こんにちは!」
「こんにちは、白洲さん」
「あの、き、今日はごめんね。急に付き合ってもらったりして……」
「気にしないで。こちらこそ、僕と二人になっちゃってごめんね。雪、急にバイトが入っちゃって」
「こっちこそ、気にしないで!」

 待ち合わせ場所の駅前で。時間の少し前に言ったのにすでに赤城は待っていてくれた。
 志波と待ち合わせをするときも、どちらかというと志波のほうが時間より前に待っているほうが多いのでなんとなく安心する。と同時に、時間を守ってくれるなんて、やっぱり見た目通り真面目そうな人なんだなあ。と小春は赤城のことを見上げた。

「? なに? 僕の顔になにか付いてる?」
「うっ、うぅん! ごめんね!」

 少し顔を赤くして、ぶんぶんと首を横にするしぐさが小動物みたいでかわいらしい。
 志波という一流体育大学の野球部員だという男とはあまり会ったことがなかったが、一目見ただけで体育会系だと分かる背の高い体格のいい男だった。そんなのと、この子リスちゃんみたいのがつき合っているのかと思うと、そのギャップが赤城にはほほえましく感じられる。
 きっと、守ってやりたいとかあれこれ世話を焼きたいとか、そんな風に思うんだろうな。
 自分だって、こうやって相談に乗ってやったりするくらいだし。
 何の得にもならない自己分析をした後で、赤城は小春の先に立って歩き出した。

「さあ、行こうか」
「どこに行くの?」
「いーいトコロ」
「……?」

 うしろからチョコチョコとついてくる様子が、妹がいたとしたらこんな感じなのかな、と赤城は思った。同い年なのになんでこんなこと、考えるかな。
 実を言うと、恋人である雪以外の女の子と二人きりで歩くなんて本当に久しぶりだ。
 雪はサバサバしているように見えて、意外と嫉妬深い(その点は自分も似たようなものだということは認める)から、極力誤解を招くような真似はしないように気をつけてきたつもりだ。
 それでなくても、早とちりしてとんでもない方向に思考を展開させがちな女の子なのだ。
 まあ、小春ちゃんの場合は彼女の友達だし、小春ちゃんにはラブラブで他に付け入る隙がない彼氏がいることも知っているし。だいたい今日のことは彼女から持ちかけてきたことだから、そういう誤解が生じようはずもない。
 高校が一緒だったわけでもないし、大学に入ってからもほとんど接点がない小春から「相談がある」といわれたときには驚いたけれど、理由を聞いてみれば協力しないわけにはいかない。

「くれぐれも、余計なことを言わないように気をつけてね。小春ちゃんはわたしと違ってマジメなんだから。一雪くんに真顔で変なこと言われたら、絶対に真に受けちゃうんだからね」
 昨日小春と約束をしてからというもの、雪は口を酸っぱくして赤城にそう忠告していた。「分かったわかった」と軽く聞き流しておいたけれど、確かにこの子に妙な冗談は通じそうもない。
 それにしても。「変なこと」とか「余計なこと」とか、ずいぶんな言われようだよな。僕だってわざとそういうことを言っているわけではない。
 そのまえに、赤城がそう「余計なこと」を思わず言ってしまうのは雪に対してだけだ。
 雪に対してだけ、感情が高ぶって普段なら言うわけもないことを言ってしまう。するはずもないことをしてしまう。

「僕と二人で歩いていて大丈夫? 志波くんに見られてあらぬ誤解を受けたりするのはイヤだよ、僕」
「大丈夫! 今日志波くん野球部の試合だし。それに隠れてこそこそやってるわけじゃないもん」
「それならいいけど。志波くんに誤解されて殴られたりしたら痛そうだよね」
「志波くんは人のこと殴ったりしないよ!」

 全幅の信頼というわけだ。
 羨ましい、と思わないこともない。
 普段一緒に歩いているのとは別の女の子の横を歩くというのは、なんだか新鮮な体験だな。と赤城は場違いなことばかりを考えていた。



****



「志波くんの誕生日って、いつだって言ってたっけ?」
「え? 次の土曜日だけど」
「そうか。……ちょっと、志波くんが羨ましいな」
「えっ? なんで? どうして?」
「だってさ、誕生日に彼女にそんな風に一所懸命プレゼントを選んでもらえるわけだろ。その上、プレゼントが「ソレ」だし」

 買い物が終わってから、別れる前に一休みしようということで手近なファミレスに入った。
 ドリンクバーを注文して取ってきたメロンソーダのストローに口をつけた赤城が、小春の横の椅子においてある紙袋を指差す。
 小春はマグカップに入ったカフェオレにふぅふぅ吐息を吹きかけて冷ましていたが、「ソレ」を指差されると慌てたようにカップをテーブルの上に置いた。

「こっ、これは違うの!プレゼントとか、そういうのじゃなくてね……!」
「言い訳しなくていいって。いいじゃない。この前僕が言ったの、覚えててくれたんでしょ」
「うん。そう……なんだけどね」
「きっと志波くんも喜んでくれるよ」
「そ、そうかなぁ……」

 でも、恥ずかしいし、どうしよう。
 小春はまごまごしながらカフェオレを意味もなくスプーンでかき混ぜた。その様子を見て赤城はやっぱりかわいいなあと思う。本格的に妹を見守る心境になってきたぞ。
 しかし羨ましいというのは本音だ。自分の彼女は絶対にこんなことはしてくれないだろう。もししてくれたら、思いっきり今までにないくらいかわいがってあげるのにな。
 それを思うと、志波という小春の彼氏だという男が羨ましくて仕方がない赤城だった。

「ねぇ、赤城くん」

 意を決したように小春が顔を上げたから、赤城は無意味にすすり続けていたメロンソーダから口を離した。

「お、女の子がこんなことしたら、変な子だって思わない?」

 顔を真っ赤にして。心なしか目がうるると水気を帯びているような気さえする。
 自分の彼女は文句なくかわいいと常々思っている赤城だけれど、このときの小春はまた彼女とは別の意味でかわいいと思った。小動物、例えばハムスターとか、子リスのようだ。
 そんな彼女の小さくて丸い黒目はぬいぐるみの目玉のようだな、と更に赤城は妙なことを感じていた。こんな風にかわいらしい子が、この世にはいるんだな。
 そして、そんなぬいぐるみみたいな女の子が、夢みたいな誕生日プレゼントを用意してくれている。
 僕だったら狂喜乱舞するなぁ……。『絶対に』そんなこと起こらないんだろうけど。
『絶対』を強調しながら自分の彼女の顔を思い出して、赤城はふぅ、と軽くため息をついた。

「変な子だなんて思わないよ。さっきから言ってるじゃない。絶対に喜ぶ」
「そう? 絶対にそう思う?」
「もちろん。小春ちゃんみたいに可愛い子だったら大歓迎だよ」
「そう……かな。だいじょうぶかなぁ?」
「うん。大丈夫。志波くんのこと、好きなんだろ?」

 聞くと、小春はちょこっとだけ照れたような顔をして顔を赤らめた。
 でも、正直にこくん、とうなづく。
 それを見て赤城は満足げに笑った。

「だったら問題ないよ。男っていうのは、好きな子が自分のために何かしてくれるっていうだけでもものすごく嬉しいものなんだから」

 言って、赤城はグラスの中のメロンソーダをすべて飲みほした。
 それから、いつも自分の彼女に言われていることを思い出して、一言付け加える。

「ただ、僕はちょっと変らしいからね。……あまり当てにはならないかも」
「えぇぇぇ!」

 次の土曜日か。
 その場にいられないのは残念だけれど、志波くんという男がどういう反応をするのか見てみたいと赤城は真剣に思った。
 どうにかして見る方法はないのかと考えたけれど、そんな方法は見つかるわけもなかった。







ちょっと適当にやりすぎたな。



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