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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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キラキラの君が好き

なんとなく、こんな感じの話が書きたいなぁ、っていう。

やっぱりバレンタインデーがこういう舞台には似合うのだろうけど、既に公式でやってしまっているので諦めて(笑)
期末テストでどうですか。

続きに珍しくGS3妄想。
嫁(隠しくん)の話です。








隠し妄想話
(キラキラの君が好き)






(わぁ……また学年トップ。さすがだなぁ)

俺はというと……、いつもの通り、可もなく不可もなく。
うーん、がんばるって決めたけど、そう一朝一夕で成績なんて上がるものじゃない。
こういうとき、彼女がいかに普段からコツコツがんばっているかっていうの、思い知らされるよなあ。
しかも、頑張っている姿を俺らにはあまり見せないっていうのがまたすごい。さすがローズクイーン候補。

俺の名前のはるか上、頂点に輝く彼女の名前を見上げる。
ああ、名前すらキラキラ輝いて見える。

「平、なーにため息なんかついちゃってんだ? もしかして、順位下がったとか?」
「ちっ、ちがうよ! むしろ上がってる!」

……彼女のおかげでね。

「なんだよ。そこそこいい順位じゃんか。平って、もうちょと下の方じゃなかったか?」
「俺だって、少し本気を出せばこんなもんだよ」
「へ―。……ところでトップは誰だ――っと。やっぱり彼女か」
「うん。すごいよなぁ」

そのとき。

「学年トップのバンビ……! 素敵……!!」
「ちょ、ちょっとカレン、大げさだってば。な、泣かないでよ!」
「頑張ってるバンビがトップに立つのは当然。これも星の導き通り」
「もー。バンビってば可愛いだけじゃなくて賢いなんて! ズルイ! でもそこが可愛い!」
「カレン。くっつきすぎ……バンビから離れて」
「やだ!」

「きた!」

隣の友人が目を輝かせて「キューティー3だ!」とつぶやいた。まるで口笛でも吹きそうなくらいだ。
俺はなにも言えず、二人に囲まれた真ん中の子に目が釘付けになる。見ちゃだめだと思っても引き寄せられるんだ、磁石みたいに。もしくは、太陽に引っ張られてるほかの天体みたいに。

「今日も可愛いなー、あの三人」
「……ああ」
「……なんだ、タイラー。目がハートになってるぞ?」
「そ、そんなことないよ!」

アハハ、と友人は俺の肩をバン、と叩く。
クラスメイトなんだから、「学年トップおめでとう」の一言くらい言ってみたい。
でも分かってる。俺は、見てるだけしかできないんだ。だって。

「あ。バンビちゃん、みっけ」
「あー、琉夏くん。どうだった? テスト」
「俺? いつも通り。この世に国語がなかったらなぁ」
「ふふふ」

ほら。彼女のところにはキラキラした奴らがどんどん集まってくる。
学校でも目立ってて、先生からも注目されて(いい意味でも、悪い意味でも)、俺なんか足元にも及ばないような奴ら。

「おう。なにやってんだ、こんなとこで固まって。邪魔だぞ」
「琥一くん! テストの結果、見てたの」
「あぁ、そんなもんもあったな」
「コウ、今回も俺の勝ちだよ?」
「ウルセー、国語だけなら俺の勝ちだ」
「だって俺、国語キライだもん」

見た目完全にヤ○ザだけど、実は意外と面倒見が良くて頼れる男(見た目で損する確率99%)

「学年一位……」
「あっ、不二山くん!」
「おまえの頭ん中、どうなってんだ?」
「別に普通だよ?」
「嘘だろ。しょっちゅう遊びに行ってるくせに、いつ勉強してるんだ?」
「えへへ」

柔道部をたった一人で立ち上げた男。

「あー。バンビちゃんみーっけ! ……って、わぁお! 学年一位!」
「ニーナくん。こっちに来るの、珍しいね」
「うん、ちょっと嵐さんに用があってさ……って、学年一位はスルー? アンタにとっては普通のことってか」
「そういうわけじゃないけど……、えへ」
「うっわ。反則。そういう可愛い顔すんの」

誕生日にもバレンタインデーにも女子に囲まれてるモテモテのナンパ男(おまけに成績トップクラスの優等生)

「アンタらっ! アタシのバンビにあんまり近づかないで! 穢れるわっ!」
「ヒデーっ、カレンさん、オレら、害虫ですか?」
「同じようなもの」
「みよちゃんまで……。俺、ちょっと傷付いた」
「ちゃんって、呼ばないで」



体育祭では女子たちが二人三脚の相手の座を巡って争奪戦を繰り広げる。
修学旅行では自由行動を一緒にできないかとロビーでそわそわする。
携帯番号だけでもゲットしたいと声をかける。

彼らがなにかをすると、周りがざわめく。何かが動く。学校中を巻き込んで。

「どいつもこいつも虫だな、寄ってたかって……、おい、追っ払ってやろうか?」
「ちょ、琥一くん!」
「面白い、桜井琥一。俺が受けて立つ!」
「おおっ、嵐さん、本気見せてください!」
「琥一くん、嵐くん、やめて!」

彼女は、そんな奴らの中心にいるんだ。

「やれやれー! どっちが勝ってもバンビは渡さないけどね!」
「バンビちゃん……、俺、傷ついた。なぐさめて?」
「もう、琉夏くん! 琥一くんを止めて!」
「上等だ、表に出ろ!
「臨むところだ!」

眩しすぎて、俺なんかは真っ直ぐに見詰めることもできない。
それなのに、やっぱりどうしても目がそらせない。あの日、入学式の日、同じクラスになった時。不安そうな目をして震えていた姿を思い出すから。「平くん、よろしくね」そう言って笑いかけてくれた(俺だけのための笑顔!)あの顔を忘れられないから。

「諦めろ、平。あの子は俺らとは住む世界が違うよ」
「そんなこと」

分かってるよ。そう言おうとしたのに。

ギャーギャーと騒ぎ始めた喧騒の中、ふいに彼女がこちらを向いた。
野次馬たちも集まってきて、これ以上騒いだら氷室先生が現れて俺ら全員こっぴどくしかられる、そんな雰囲気なのになぜかそのとき、周りの音はすえて聞こえなくなって。
眩しくて目も開けられないくらいの光の中で。確かに俺は見たし、聞いた。

「平くん! また明日ね!」

目の前で花火が爆発したような、そんな気分になる彼女の笑顔だった。







なんか長くなった。
琉夏くんとかセリフ考えるのが結構面白かったなぁ。
そしてタイラーは可愛い。
タイラーバンビも可愛い。

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