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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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赤城学園演劇

ものすごい捏造が入ってます。

もし赤城と学園演劇ができるなら、こんな話がいいなぁ、という単なる妄想です。




(役名が思いつかなかったので「一雪」と「雪」で)



場面 一雪の部屋 親友が訪問してきている

(お茶を飲みながら)
親友「君も恋の一つくらいしてみたらいい。世界が変わるよ」

(一雪、微笑みながら)
一雪「恋ならもうしている」
親友「へえ、驚いたな。君がか。相手は誰だい」

(一雪、懐から古い写真を取り出す)
(写真に写っているのは幼い女の子)
親友「なんの冗談だい」
一雪「この写真しかもっていないんだ。今は、僕と同い年のはずだよ」

(一雪、立ち上がり、机の引き出しから封筒を取り出す)
一雪「この写真を撮った時に一度会ったきりの僕の許婚です」
親友「まさか、その子に恋をしているっていうんじゃないだろうね」
一雪「そのまさかです」

(一雪、封筒を胸にかき抱き、窓の外を見つめる)
(親友は茫然とした顔でそれを眺める)
一雪「親が決めた許嫁です。顔も一度しか見ていない。手紙も、この一枚しかいただいていない。
「それなのにどうしてだろう。あの日見た彼女の笑顔が僕はどうしても忘れられないんです。
「あの笑顔を思い出すだけで、僕は幸せな気持ちになれる。
「これが恋でないわけがない」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


―― 赤城はばたり、と台本を閉じた。
なんだこれは。
これを、僕が? 冗談じゃない。冗談じゃないよ。
今すぐにでも役を降りるか、さもなければ演劇などできない程度に骨折でもしたい。けがをすればさすがに主役などやっていられないだろうから。
不穏なことを考え、結局実行に移すことはできないと思いあきらめる。

「これ、本当に僕がやるのか?」
「おまえがやらなくて誰がやるんだよ、人気投票一位!」
「絶対なにかの陰謀だよ……おかしいだろ、僕が一位だなんて」
「仕方ないだろ、俺たちの代には王子がいないんだ。タマオとシタラはまだ一年だし」
「なんの話だよ」
「お前には関係ないよ」

森はいつものへらっとした調子で軽く笑った。

「とにかく、はね学の人気ナンバーワンヒロインとカップルになれるんだから、いいじゃないか! 羨ましいね俺は!」
「大城に言っておくよ」
「ちょっ……、赤城!? 赤城くん!?」

何やらいっている森は放っておいて、赤城は台本を持ってその場を後にした。
「はね学のヒロイン」か……。はね学といえば、あの子も見るかもしれないのに。
ますます気が重くなることを思い出して、赤城はため息をついた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――




場面 雪の家の庭。親友と庭の花を眺めている

(親友、大げさに驚いて)
親友「まあ。それじゃあ、ご両親が決めた方と結婚するの?」

(雪、嬉しそうにほほ笑む)
雪「そうよ」
親友「顔も知らない方なんでしょう? どうしてそんなに嬉しそうなの?」
雪「だって私、その方と結婚できるのが嬉しいのよ。早くお会いしたいなって、いつも思っているの」

(親友、雪をいたわるように肩に手を置く)
親友「いいのよ? わたし、ご両親になにかいったりしないわ?」
雪「ううん、両親に気を使っているわけじゃないの。わたし、あの方を選んでくれた両親に感謝しているくらいだもの」

(大きく開いている花に手を触れて、顔を寄せる)
雪「一度会ったきりだもの、あの方がわたしと同じ気持ちだとは限らないけれど、それでもわたし、待ち遠しいわ」

(雪の姿を見て、諦めたように息を吐く)
親友「そんな顔されたら、早く会えるといいわねとしか言えなくなっちゃうじゃない」
雪「うふふ。ありがとう」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ばたん、と雪は台本を閉じた。

(何これ……! なにこれ、なにこれ! むり、絶対無理!)

ブンブンと首を振る。そこへはるひが興奮したように走ってきた。

「雪ー! みたでみたでーーー! この台本! むっちゃえぇなぁ!」
「はるひー!」

えーん、と泣きつく雪を無視してはるひは興奮したまま喋り続ける。

「お金持ちの御曹司と、お嬢様! 幼いころに一度だけ会ったきりの思い出を胸に愛をはぐくみあう恋人たち! くぅぅぅ~~~~っ!!! たまらん! めっちゃ純愛やん!」
「わたしこんなの無理だよ~。なんで投票なんかで選ばれるの?」
「え? うち、アンタに1票いれたで?」
「衝撃の事実! なんでそういうことするのよぉ!」

ぽかぽかとハルにの胸をたたく雪の頭をはるひはぽーんと一度軽くたたいた。
そしてにぱっ、と笑って宣言する。

「アンタならできる! そう思ったからこそ、チョビも竜子姉も密さまもアンタに投票したんやないの」
「またしても知りたくなかった事実! うわーーん。どうしよう。しかも相手ははば学だよ? 知らない子なんだよ? わたし、無理だよぉ」
「だーいじょうぶ大丈夫! アンタならできるって!」

そこにその根拠があるのかさっぱり分からないが、これ以上言っても仕方がないらしい。
雪は台本を抱えてとぼとぼと歩きだした。
やりたくないけど……はば学といえば赤城くんももしかしたら見にくるかもしれないし、カッコ悪いところ見せたら恥ずかしいし……。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



お互い、自分たちの間に起こる偶然と奇跡の確立についてすっかり忘れきっていたため、顔合わせのときに目と口がふさがらないほど驚いたのだがそれはまた後日の話。





これだけのことに、壮大なる裏設定があるのですがいろいろ壮大すぎて書ききれないので割愛します。

結局なんだったのこれ。

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