恋煩い日記
2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。
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昨日からずっと書きたかった
やっと書けるようになったー!!
おやすみだったんですが、何かと仕事の指示が来まして。
普段やる気がないわたしの割には頑張ったよ。
なぜなら、昨日の夜からずっとこれが書きたかったからだ。
というわけで続きは例の擬人化。
ときメモ関係なくて申し訳ないのです。
おやすみだったんですが、何かと仕事の指示が来まして。
普段やる気がないわたしの割には頑張ったよ。
なぜなら、昨日の夜からずっとこれが書きたかったからだ。
というわけで続きは例の擬人化。
ときメモ関係なくて申し訳ないのです。
(たまにはちゃんと仕事をする)
びすたのご主人さまは物書きのお仕事をされています。
ご主人さまがご自分でそう仰っていたからびすたはそうなんだと思っています。
普段は担当さんが持ってくるコラムやエッセイや、体験レポートのような、「あまり長くなくてすぐに書ける」ようなお仕事を数多くこなしてらっしゃいますが、びすたが来る前には、単行本になるような長いお話を書かれたこともあるそうです。
ご主人さまはご自分の本を持ってらっしゃらないので、びすたは読んだことがありません。
いつか、読んでみたいなって思っているんです。
「ご主人さま、そろそろおやすみの時間で……」
お仕事中にお部屋に入ると怒られることが多いのですが、お食事とおやすみの時間をお知らせするときは別です。
ご主人さまはお仕事を始めると時間を気にせずずっと没頭されてしまうので、こうしてお知らせしないといけないのです。
煙草の煙が充満しているお部屋に入ると。ご主人さまはお仕事のパソコンのキーボードをものすごい速さで叩いていました。机の上の灰皿には吸い殻が山のようになり、今くわえてらっしゃる煙草もすっかり短くなって火が消えていましたが、そのことにも気付いていないようです。
そっと近づいてみましたが、ご主人さまはびすたに気がつく様子もなく。じっとディスプレイに流れてくる文字を見つめています。その間もずっと手が止まりません。
びすたは、ご主人さまがお仕事をしているところをこんなふうに見たことがありませんでした。
まるで、何かに取りつかれたようにディスプレイだけを真っ直ぐ見詰めて、キーボードの上の両手も何かに乗っ取られたみたいに動き続けて、少しだけ(こんなふうに思ったなんて絶対にご主人さまには知られたくないのですが)怖いと思ってしまいました。
ご主人さまに声をおかけするのも忘れて、びすたもご主人さまのことをじっと見つめてしまいました。
普段びすたのことを見るどのお顔とも違っていて、なんだかとっても素敵で、息をするのも忘れてしまうくらいです。
そうしてしばらく、ここに来た用件も忘れてご主人さまを見つめていると、突然パチン、と大きな音を立ててご主人さまの両手が止まりました。
「……ふぅ……」
ぱちぱちと、ご主人さまは何度か瞬きをして、それから大きく伸びを一つします。ぽきり、と体のどこかで音がしたようでした。
「ご、ご主人さま」
「ん……なんだびすた、お前いたのか」
「ごめんなさい、お声をおかけしたんですけど、聞こえなかったようなので……」
「いや。こっちも没頭してたからな。で、なんか用か」
「え、あの。えと。そろそろおやすみのお時間なので、お知らせに……」
そういうと、ご主人さまは壁にかかっていた時計を見上げました。
「こんな時間か。……まあいい、お前先に寝ろ」
「えっ?」
びすたはびっくりして聞き返しました。
実は、びすたがここへきてからというもの、ご主人さまかびすたがここにいないときを除いては一緒に寝なかったことがありませんから。二人揃っていれば、時間になったら一緒に眠るのが当たり前でした。だから、先に寝ていていいなんて言われて驚いたのです。
「その前に、灰皿変えてコーヒーだけくれ。俺はもうちょっと仕事するから」
「あの……、お仕事、大変なんですか?」
もしかして、いつもくるあの担当さんがご主人さまに大変なお仕事を押しつけたんじゃないかしら。そう思って不安になりました。だって、ご主人さまがこんなふうにお仕事しているところなんて見たことがなかったんです。
だけど、ご主人さまは首を振りました。そして机の上の灰皿をびすたに差し出してきます。
「そうじゃねえけど、今日書けるうちに書いておきたいから」
びすたはご主人さまにおねがいされると断れません。 急いで灰皿を取り替えて、コーヒーを入れ直してきました。
ご主人さまのお部屋に入ると、机に向かったご主人さまはお仕事用のメガネをはずして、両手で目のあたりを押さえていました。
「お疲れですか?」
「ん……まあな」
「なにを、書かれているんですか?」
「あー。いや、たまにはな。長いのを書こうかと思って」
見てみるか、と言われてびすたがうなずくと、ご主人さまはびすたを膝の上に乗せてくださいました。
大きなパソコンのディスプレイいっぱいにテキストエディタが広げられていました。
エディタは字でびっしり埋まっていて、右側のスクロールバーがすごく短くなっていました。これだけでとっても長いお話だっていうことがわかります。
「今度担当が来たら見せてみる。頼まれてもねえのに書いて、金になるかどうかわかんねえけどな」
「へぇぇ。ご主人さま、やっぱり凄いんですね」
「別に」
びすたはそれをとっても読んでみたくなったんですけど、あんまり読まないうちにご主人さまの膝の上から降りました。
「ご主人さま。びすた、それが本になったら読みたいです! いいですか?」
「まだ、本になるかどうかわかんねえぞ」
「大丈夫です、ちゃんとなります!」
「簡単に言うけどな……」
あきれ顔のご主人さまでしたけど、びすたはなんだか嬉しくなってしまってえへへへ、って笑ってしまいました。
ご主人さまも笑ってくれるといいな、って思ったけど、ご主人さまは笑わずにその代わりにびすたのことをぎゅって抱きしめてくれました。
今夜はびすた一人で寝なきゃいけないのだけど、なんだかとっても幸せだなあ、って思いました。
「……はぁ。 相変わらずザンシンなこと考えつくねえ、お前。さすがヒキコモリの変人だ」
「誉めてるのかけなしてるのかどっちだ」
「もちろん褒めてますよ。普通の人じゃあこんなこと考えつかないもんな」
「俺が普通じゃないとでも言うのか」
「おや? 普通だと思ってたの? まさかね? ところで、お前これシリーズ化しない? 人気あるし定期的に書いてくれればさ、売れるし儲かるよ?」
「嫌だ。というか無理だし、別に儲ける必要もない。人気も要らない」
「そう言わずにさ! ちょっと考えてみてよ!な!」
「い や だ 。 考えるまでもない」
「そこを何とか!」
「無理」
後日、担当さんがやってきてこの前ご主人さまが書いた原稿を大事そうに抱えて持って帰りました。
きっと本になります。びすたはとっても楽しみで、担当さんをお見送りに玄関までついていきました。
「じゃあね、びすたちゃん。また来るね」
「はい、お待ちしています」
「おい、びすた目当てで来るんじゃねえよ」
「はいはい。 それじゃあ、またよろしく」
「おい、今度は見本本、一冊持ってこい」
「あれ? 今までいらないって言ってたのに」
「いいから持ってこい」
担当さんはご主人さまのことを見て、それからびすたの肩に載せられているご主人さまの手を見て、なんだか意味深に笑って、玄関から出ていきました。
二人きりになったお家の中で、びすたはご主人さまのことを見上げます。
「楽しみですね!」
「……どうだか」
さっさとリビングに戻っていくご主人さまの背中を、びすたも追いかけました。
なんかご主人さまが可愛くなってきてる……。修正しなければwwwwww
あと、出版業界のことは全くよくわからないので単なる想像です。
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