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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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ポケットに小春

本日二件目の記事です! 最近複数記事を書くのが多くなってきたなぁ。

勝己くんの恋人改め「ポケットに小春」

受け入れられているのかいないのか、分からないままに第二弾。







 たまには勉強もしないとね。もうすぐ、期末テストも近いし。
 そう言うと志波くんは「イヤだ、めんどくせえ、今更どうにもならねえ」なんて言って子供みたいに逃げようとした。でも、「志波くんが教科書めくってくれないと見れないもん、志波くんも一緒に勉強して」ってお願いしたら渋々机に向かってくれた。
 わたしは志波くんの頭の上に乗せてもらって、落っこちないように髪の毛につかまって机の上の教科書をのぞき込んでいた。時々、「次のページ行こう?」て言うと志波くんが教科書をめくってくれる。きっと、見てないんだろうなぁ……。

 うぅーん。このサイズになると教科書の字も大きくって見づらいなぁ。

 そんなことを考えながら志波くんが作ってくれたメモ帳の切れ端で作ったノートにミニサイズの鉛筆でメモをとっていく。本当のテストの時になったらどうしよう。解答用紙が大きすぎて字を書くのも一苦労しそうだなあ……。

 必死に文字を追いながらメモを取っていると、不意に志波くんの頭がガクン、と落ちた。

「わきゃっ!」

 あわてて落っこちないように髪の毛をつかみ直す。けれどその拍子に手を離してしまったノートが机の上に落っこちた。
 あーあ。って思いでそれを上から見下ろす。志波くんがそれに気づいた気配はないから、たぶん寝ちゃったんだなぁ。
 もう一度、ガクン、って志波くんの頭が大きく揺れた。

「きゃぁぁ」

 小さく声を上げて、また落っこちないように踏ん張る。
 もう、志波くんったら。

 わたしは仕方がないので鉛筆も机の上に落っことした。カラリン、って木が転がる軽い音がした。よぉし、次にまた揺れる前に!
 すっかり下を向いてしまっている志波くんの頭を移動して、うなじのあたりをそろそろと伝って肩、腕とつかまりながら机の上に降り立つことに成功する。
 やったぁ。動きやすい服にしておいてよかった! (ちなみに今日のお洋服は、「ワンちゃんとお散歩セット」。だんだんわたしのお洋服も充実してきたんだよ)
 机の上から志波くんの顔を見上げると、やっぱり。予想したとおり目を閉じてこっくりこっくりと船を漕いでいた。さっき落としてしまったノートとミニ鉛筆を拾って、教科書の脇に片づける。

 ……志波くん、よく寝てるなぁ……。

 その寝顔を見上げて、わたしはちょっとだけイタズラ心を起こしてみる。
 教科書を押さえている志波くんの腕の上によじ登って、手を伸ばすとほっぺたに手が届く。そのまま目を閉じて、背伸びをして。

 ……えへ。気づかないよね。

 少しだけ熱くなってしまった自分のほっぺたを押さえながら、わたしは志波くんから少しだけ離れた。

 ……えへ。えへへへ。





毎度ながらお熱いことで。
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