恋煩い日記
2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。
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ついカッとなってやった
というのはうそで、反省だらけだ。
ちょっと推敲くらいしろよ、と思うけれどそのまま載せてみる。
Vitamin Z 那智×真奈美
ED後 (よく分からないけど、慧くんの通常ED後、みたいな感じになりました)
「那智くんっ!」
「あれっ、なんだよ真奈美~、そんなに目ぇ吊り上げて怒ると、シワになっちゃうぞ~?」
「余計なお世話ですっ。ん、もう」
「あははっ、真奈美のシワが増えたって、おれの愛に変わりはないから、安心しなよ。で、なんでそんなに怒ってるのさ」
「あっ、そうだった。今日慧くんに会ったんだけどね……」
今日、たまたま買い物に行った商店街で慧くんに会ったのだ。
正しくは、慧くんだけじゃなくて慧くんと一緒にいた天十郎くんと千聖くんともであった。あの三人、なんだかんだいって卒業後も仲良くやってるみたい。
久しぶりだし、お互いそんなに忙しくもないし、ってことでそのまま喫茶店にいって少し話をしてきたんだけど、そこで大変なことが発覚して。
「那智くん、例の『那智文庫』の間違ったところ、全部訂正して慧くんに謝るって言ったよね?」
「えっ? そんなこと言ったっけ?」
「いいました! 慧くんが一般常識のない大人になっちゃったら恥ずかしいから、ちゃんと正しい話をもう一度話して聞かせるって言ったでしょ?」
「冗談、冗談。ちゃんと訂正したよ~? おれ」
『那智文庫』とは、幼稚園のころの那智くんが童話や昔話などくだらない作り話だ、といって絵本などを読もうとしなかった慧くんのために(今考えてもなんて子供なのよ、もう)手作りで作った昔話や童話の絵本、だそうだ。
それだけだったら「那智くんって本当にお兄ちゃんが好きだったのね」で終わるハートウォーミングストーリーなんだけど、なんといっても那智くんのことだ、それだけで終わるはずがない。
那智くんいわく「ちょっとした悪戯心だったんだけど~」というその手作り絵本のストーリーは、那智エッセンスがふんだんにあふれてこぼれ出てきそうな内容となっていて、とてもじゃないけど幼稚園児に読ませたくないようなものばかり。ある意味、幼稚園児のときにこんなものを作れたっていう那智くんがどれだけの天才かってことを示してはいるんだけど。
でも問題なのは慧くんがその那智くんの作り話を鵜呑みにして、高校を卒業するまで一ミリも信じて疑わなかったってことよね……。
慧くんも、お勉強は完璧なのにどうしてこういうところは抜けてるのかしら……。女の子にもモテると思うのに、あの言動じゃあ百年の恋も一気に冷めちゃうんじゃないかな。
…………。
と、考えて私は自分の中に浮かんだいやな考えを押しとどめた。
まさか、那智くんってばこれを見越して妙な童話を慧くんに信じ込ませて……。
な、なんて、そんなことないわよね。いくら那智くんが慧くん大好きだからって、そんな陰険なものの考え方するわけ……するわけ……。
ああっ、「ない」と言い切れない自分が恨めしいっ! なんで私、こんな人の恋人やってるんだろうっ!
「真奈美? 真奈美~? なんだよ、どうしたの、百面相して」
「……はっ、ご、ごめんね那智くん、私ちょっと自信が」
「な~に言ってるんだよ? とにかく、おれはちゃんと訂正したよ~。「アリとキリギリス」も、「ウサギとカメ」も」
「ええ、「かぐや姫」も「シンデレラ」も「人魚姫」も「ももたろう」も訂正したのよね。それは聞いたわ」
「じゃあ、ほかに何があるんだよ」
「あのねぇ。今日初めて聞いたわ。「赤ずきん」よ」
「赤ずきん~? そんなの、あったかなぁ」
那智くんはきれいな眉を寄せて、考えている。私はそんな那智くんの隣に座った。
「あのね。「赤ずきん」はかわいい女の子が狼に食べられちゃう話じゃないでしょう」
「えっ。そうだったっけ? 違わないだろ?」
「乱暴に言ったらそうかもしれないけどっ」
……って言うか、那智くんが言うと「食べられちゃう」が本来の意味には聞こえないから!
大声で突っ込みたい! けど、さすがにそれは飲み込む。
「大事なところをはしょっちゃだめです!」
「え~。でもおれ、「赤ずきん」だけは絵本作ってないよ。口では、言ったかもしれないけど」
「そうなの? ……どうして?」
「ん~。「赤ずきん」の話ってさ~、おれ、好きだったんだ。だから、慧にもちゃんと覚えてほしくって」
ちゃんと、ってことはほかのはでたらめ書いたっていう自覚があるのね……。そう思ったけどここはスルーしておくことにした。何を言ってもこの那智くん相手じゃあ煙に巻かれてしまうのがオチだもの。
那智くんは隣に座った私のことを、いつものニコニコ笑顔で見ている。
「那智くんが童話のことを好きだって言うなんて、意外だわ。ねえ、どんなところが好きなの?」
「……知りたい?」
「し、知りたくない知りたくないっ」
あぁっ、失敗した! また、那智くんに乗せられちゃった。
ぐぐっ、と迫ってくる那智くんの嬉しそうな顔を見て、私は自分の失敗を悟った。那智くんの胸を両手で押し返してみるけれど、そんな私の抵抗なんかものともしないで那智くんがのしかかってくる。
「真奈美が聞いたんだからな。いまさらやっぱりなし、なんて言わせない」
「な、那智くんっ」
「あのねぇ。狼が健気なんだ。そう思わない?」
目と鼻の先にまで近づいた那智くんの顔。
……もう、降参かも。 なんといっても私は重度の那智病にかかってしまったので、こんなにまでされたらもう全面降伏するしかない。
「健気?」
「そう。 ほら、有名なセリフあるだろ? 言ってみて。おれに、聞いてみて」
「ふふっ、那智くんが、狼なの?」
「そうだよ~。おれはいつでも、真奈美にとっては狼だからね~」
「あははっ。……しかたないなあ。『おばあさん、おばあさんの耳はどうしてそんなに大きいの?』」
「それは、お前の声をよく聞くためだよ」
耳元で、囁かれる声。……私は那智くんのこの囁きに弱い。
「んっ……」
「ほら、続き」
「お、『おばあさんの目は、どうしてそんなに大きいの?』」
「お前の顔をよく見るためだよ」
今度は、両手で頬を包まれた。じぃっ、と見つめられる。そうされるだけで顔が赤くなるのを感じる。
那智くんは涼しい顔してるのに。
「ラスト」
次に何をされるかなんて、予想がつく。けれど那智くんが笑顔で先を促す。
「『おばあさんの口は、どうしてそんなに大きいの?』」
「それはね……。お前を食べるためだよ、真奈美」
もう、間違ってるとかなんとか、お説教なんかできなくなっちゃったよ……。
慧くんには悪いけれど、あとで天十郎くんか千聖くんに教えてもらってね。たぶん、那智くんは「赤ずきん」の解釈について自分の考えを変えることはないと思うから。
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