だから気が乗らないって言ったのに

今しか出来ないネタ。
ちょろっと思いついたので書きマース。


だいぶ前に書いた「昆虫の類が受け入れられない赤城」の設定で。
この話、サイトに上げてたっけ？　あげてないですね。　探しました　これと　これ　でした。
どっかにあげた記憶があるんですけどね。企画のページで消してしまったのかも。


さて。そんな赤城のお話。

「一雪くん！　お花見行かない？」
「花見～？」
「あ。いやそうな顔」
「いいけど？」
「あー、分かった。毛虫がいるかもしれないからいやなんでしょ！」
「ちっ、違うよ！　大体、嫌だなんて一言も言ってないだろ」
「強がっちゃって」
「強がってなんかない。嫌だなんて言ってないって言ってるだろ？」
「はぁい。そういうことにしときますか。けど……行こうよ。はばたき山。とってもきれいなんだって」
「あれ？　行ったことないの？　はばたき山の花見」
「ないよ」
「そっか。てっきり、高校のときに誰かといったことがあるかと思ってた」
「ないない。一雪くん、いい加減にわたしの高校時代のこと誤解するのやめてよね」
「どうだか。ことあるごとに僕は嫉妬するよ」
「自信満々で言わないでよ」



………………



「うわーぁ。きーれい！　ねぇ、あっちのほう行ってみよ！」
「う、うん」
「はやく、はやく」
「ちょ、あんまり引っ張るなよ！」（っていうか、ホント、春って嫌な季節だよな。気温が上がってくるのはいいけど。……あぁ、もう！　なんか小さい虫がいっぱい飛んでるし！　あぁ、嫌だ）
「きれいだねー。……ステキ」
（まぁ……、彼女が喜んでればそれですべて帳消し、かな）「ねえ、こんなの知ってる？　桜の花はなぜこういう色なのか」
「うぅん、しらない。けどピンク色ってカワイイよね。桜って大好き」
「……桜の木の下には、生きた人間が埋められたんだって。それで、桜の木はその人から血を吸ったから薄紅色の花を咲かせる」
「へぇ～。だとしたら、この山にはすっごくたくさん人が埋められたことになっちゃうね」
「そうだね。だから、こんなのありえない話だけどね」
「ふぅ～ん。でもさぁ、もしかしてあるかもね」
「なにが？　生き埋め？」
「うぅん、人の血というか、気持ちを感じてるから、桜は咲くのかもって思って」
「なにそれ」
「みんな、桜が咲くのを楽しみにしてるでしょ？　そろそろかな、そろそろかなって。だからそれを感じて、こうやって一斉に咲いてくれるのかなあ、とか。……あれ？　なんか変なこと言ってるねわたし」
「いや……、君ってホント、ロマンチストだね。僕も感化されそうだ」
「えへへ」



………………



「花が咲いていたからいいけど、これから秋までははばたき山には行かないから」
「えっ？　どうして？　ハイキング、楽しいじゃない。お弁当もって行こうよ」
「弁当か。それは、かなりの誘惑だけど。　でもやっぱり嫌だよ。もうちょっとしたら　……　毛虫　……とか、出てくるじゃないか」
「……ぷっ、あはははは！」
「な、なんだよ、笑うことないだろ！」
「だって～、一雪くんの今のいやそうな顔！　珍しかったんだもん！」
「この……！」
「写メとっておけばよかったぁ」
「あんまりわらうなよな～」

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よく分かりませんが。お花見ネタは今だけなんで書いてみました。ラブラブ！