恋煩い日記
2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。
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恥ずかしがってる君も好きだよv
さっきチャーハン作ってたらフライパンに触って人差し指の骨のとこ(握りこぶし作ると出っ張るところ)に水ぶくれが出来た。
だいたい料理中にフライパンに触るってどういうことですか? 落ちてたキャベツを拾うのに夢中になるのもいいかげんにしてください!
というわけで(どういうわけだ)
続きはリクエスト企画の途中で書いていたお話。なもんで脈絡も何もない話です。
以前書いてみた話を膨らませてみた、というかんじ。
埋もれさすのももったいないのでさらけ出してみる。基本貧乏性のわたしです。
ご注意!
(落ちもないのに長いです。)
前途洋洋、バラ色のキャンパスライフ、というわけだ。
高校の卒業式の日に彼女に告白して、見事OKをもらった。その日から僕と彼女は「彼氏彼女」というわけで。
偶然にも進学先が同じ一流大学だというので驚きもしたし、同時にすごく嬉しくもなった。
これからは離れた場所にいる彼女が何をしているのか、毎日毎日空を眺めながら考えないでもいいんだな、と思うと今さらながら夢みたいな気分だ。
けれども、一緒に過ごす時間が増えたということは今まで見ることもなかった彼女の一面を知ることになるということで。
もちろん知りたかったこともあるし、彼女のことを一つずつ知っていくのはこの上もなく嬉しいことだったけれど、世の中には『知らない方が良かったこと』というのは少なからず存在している。
「赤城くん! おはよう」
水色のワンピースに白いボレロを羽織った彼女はとっても可憐で(この際「口を開かなきゃ可愛いのにな」なんて野暮なことを言うのはやめておく)僕はしばらく見とれてしまうほどだ。
待ち合わせをしているわけではないけれど、水曜の昼は二人で一緒に学食へ行くのが決まり事のようになっていた。
この日も水曜日で、彼女に会えると思うとガラにもなく朝から浮かれてしまっている自分が少し恥ずかしかったりもした。
学生たちで混雑している学食でなんとか席を見つけたぼくら二人は昼食をとりはじめる。
「赤城くんと一緒に食事したのって、ウィニングバーガーで偶然会ったときだけだったよね」
「ああ、あのときは驚いたな。まさか、君がてりやきうどんバーガーを食べるような子だとは思わなかった」
「そっ、それを言うならお互い様でしょ」
「ははは、そうかも。だってああいうのって、チャレンジしたくなるじゃないか」
「でしょ?」
自然、話題は高校のときの話が多かった。あの時はどうだったとか、こうしたらよかったとか。学校行事の話をしたり、お互いの学校の様子を話したり。そのたびに僕は高校生だった彼女のことを思い出したり、見ていないところは想像したりして少し後悔に似たような気持ちを抱くのだ。
ちなみにこの日は彼女は女の子らしくパスタを食べていて、僕は好物のカレーを食べていた。
学食のカレーは安いけれど、具が全然ない。煮込んだ結果とろけてなくなったのではなく、元からないのだ。学生向けのそんな安メニューの潔さも僕は嫌いではなかった。
「おっ、久しぶりだな」
そんなところに声をかけてきたのは馬鹿みたいにカッコいい男だった。
背が高く、肌はほどよく日に焼けて服装も何かとセンスがいいかんじだ。こういうタイプ、女の子が放っておかないだろうな。良くも悪くも『普通』の域を出ない僕とは少し違う。
そいつの姿を見て彼女がパッと華やいだ声を上げた
「あっ、佐伯くん! 久しぶり」
「お前、卒業してからホント付き合い悪くなったよな」
「だって、珊瑚礁ももうないし……」
やたらと気安く彼女に話しかけてくるその男は、そこでようやく気がついたかのように僕の方を見た。
遅い。というか、邪魔するな。という目で見てやったけれど、相手もかなり不機嫌そうな顔をしていた。まあ、もしかしてそれが地顔なのかもしれない。これでいつも笑みを絶やさず女の子に優しいなんてヤツだったら、神さまは不公平すぎる。
「あっ赤城くん、この人ね、佐伯瑛くん。高校の時の友達で、わたしがずっとバイトしてたお店のオーナーの孫なの」
「どうも」
ぶっきらぼうに言ってくる相手に僕は軽く会釈だけ返す。
話に聞いていないわけではない。高校の三年間はずっと同じ喫茶店でバイトをしていたということ。そこには同級生の男子がいて、けれどそいつとはただの友達で、たまに恋愛の相談をしたり向こうの相談に乗ったりしていたっていうことも聞いていた。
友達、ね。まあいいけど。彼女にだって男友達の一人や二人いるだろうし。僕だっていない訳じゃないしな。
「でね、佐伯くん、こちらは、赤城一雪くん。えっと……彼氏……」
ちょっと恥ずかしそうに、語尾は消え入るように小さな声で言う彼女。気が強いように見えて、彼女は意外と照れ屋さんなのだ。
男と付き合うのも僕とが初めてって言ってたし、いちいちこうやって照れたりするのも可愛らしい。
しかし佐伯瑛はそんな可愛らしい彼女の姿を目の前にしているのに特に表情も変えず、僕から彼女のほうに視線を戻すと、背の高いところからぽこんと軽く彼女に手刀を振り下ろした。
「ああ、そう。お前ね、見せ付けてくれるじゃん」
「いったぁい。もう、佐伯くんだって彼女とラブラブしてるじゃない。見てるんだからね、知ってるんだから!」
「うるさいな。ふん、お前のクセに生意気だぞ」
「なにそれ。ジャイアン! 佐伯くんの音痴!」
「音痴は関係ない。っていうか俺は音痴じゃない」
再び佐伯が手刀を振り上げたので、僕はその手が彼女の頭に振り下ろされる寸前でつかんだ。
ぎょっ、とした顔で佐伯が僕の方を見る。
「いくら仲が良くても人の彼女に何度も乱暴しないでくれるかな」
「……あっ、赤城くん!」
彼女が慌てて立ち上がって、僕と佐伯の間に入った。自然、手が離れる。いや、邪魔されなくたっていつまでも男の手をつかんでいるような趣味はない。
そんなに慌てなくても、事を荒立てるつもりはないよ。ちょっと、腹が立っただけ。
佐伯は僕と彼女の顔を順番に見比べて、にっこぉ、といかにも優等生的に笑った。作り慣れてる感じがする笑顔だった。
「仲が良いことで。別に俺はお前になんか興味ないから、安心しろよ」
「……むぅん、それもなんだか失礼な気が」
「十分失礼だよ、怒りなよ」
そんなことを言い合っていると、佐伯はひらり、と手を振って歩いていってしまった。
なんだ、あいつ。
「赤城くん、喧嘩しちゃダメ」
彼女がちょっと睨むようにしてこっちを見てくる。威嚇? というか、精一杯の威厳を見せようとしているのかもしれないけれど、身長差もあって、ちょっと見上げるようにしてくるのがかえって逆効果だ。そんな上目遣いじゃ、誘惑しているのかと錯覚してしまうよ?
「喧嘩じゃないよ。あいつが吹っかけてきたんだし」
「佐伯くんはただの友達なんだから。チョップするのも、クセなの。本気じゃないし、慣れてるから大丈夫なの」
「君が慣れてたって僕が見たら腹が立つよ。……人の彼女をなんだと思ってるんだ」
チョップされ慣れてるってなんなんだよ。と思いながら、かわいそうにとか言いつつ彼女の髪を撫でた。あ、ちょっとラッキー。髪に触る口実が出来た。
彼女はがたがたと多少慌てたようにまた椅子に座りなおした。それで僕も座ることにする。
「とっ、とにかく。佐伯くんは友達なの。赤城くんが心配するようなことは何もないんだから」
「心配ってね。君、友達多そうだから気になるんだよ」
「だから、友達だから大丈夫なんだってば」
そうは言うけれどね。付き合い始めたばかりの彼氏としては、そこらへんが一番気になるだろ。
逆に彼女が僕のことをあまり気にしてくれないのも気になると言えば気になるんだけどな。まあ、全面的に信頼してくれてるってことかな。
……ん? そうすると、僕は彼女のことを信頼してないみたいに聞こえるじゃないか。そんなことは決してないんだけど。
ほかにも、プロ野球選手の卵であるとか、同じ一流大学の優等生(でもあり、僕にとっては羽学の元生徒会長という印象の方が強かった)であるとか、華々しい経歴の「友達」にことあるごとに出会ってしまった。
その度に彼女は僕のことを「わたしの彼氏」と、はにかみながら紹介してくれた。いい加減に慣れても良さそうだけど、何度やっても照れるらしい。いつまでもそうやって初々しいところも可愛らしいと思うから別にいい。
こんな風に嫉妬してるのもバカバカしいな、と思わないでもない。だいたい、ただの友達なんだから嫉妬する理由もないのに。一人で空回りだな、と思う。
けど、いろいろ止められないから仕方ないとも思う。なにもかも彼女のことが好きすぎるせいだ。
「赤城くんは、わたしのこと信じてくれない」
ぷくっと膨れながら彼女は文句を言う。僕はそんな彼女の頭をさらりと撫でた。
女の子の髪は細くてやわらかくて、つるつるしている。そんなことも彼女と付き合ってから初めて知った。女の子は、いや、彼女は存在そのものが男の僕とは違うんだ、って思う。何もかもが細くて、小さくて、ちょっと力をこめたら折れそうで。だから守ってあげたいと素直に思うんだ。僕が、守りたいと思うんだ。
「信じてないわけじゃない。けど、心配なんだ。君が自分の魅力的なこと、あんまり分かってないみたいだから」
「そ、そんなことないもん。男の子と付き合ったことだってないし、一緒に出かけたことだってなかったんだからね」
「だから、無防備だって言うんだよ。君は自分で思ってるよりはずっとずっと可愛いんだから」
彼女の髪を撫でていた手を後頭部に回して、少し強く引き寄せるようにした。
少し驚いたような顔をして、けれど素直に近づいてくる。至近距離で目が合う。
「わ、わかった。分かったから、近い……」
「分かってない。もう、僕が見てないところで男を無意識に誘惑したりしないでね。君は僕の彼女なんだから」
そう言うと、彼女の顔が少し赤くなった。
そして、得意の上目づかいで僕のことをじっと見つめてくる。
「わたしが好きなのは赤城くんだけだもん……こ、こんなこと、言わせないでよね」
「ふふ。やっと言ってくれた。誰にも渡さないよ、こんな可愛い彼女」
僕らの行く末は前途洋々。それは間違いないよな。
++
だってさ!
「ピュアな(変態ではない)赤城」というのを目指して書いていたんですが、ピュアって一体なんなのだ? という疑問にとらわれることになってしまいました。
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