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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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GS2? GS3?

赤城三年生のときに、玉緒先輩1年生なんだよね、(なのに玉緒先輩のことは先輩と呼んでしまうのはなんか変な感じだな)
とか考えていたら思いついた。
多分こういうことなんだよね、合ってるよね? という赤城の話。





(苦手)



「ああ、紺野。今、暇?」
「え? ああ、はい……、作業中ですけど暇と言えば暇ですが……」
「ちょっと話があるんだけど、今いい?」
「あ、はい」

次の会議で使う資料をホチキス止めしている作業の最中、昼休みの生徒会室に入ってきたのは三年生の赤城先輩だった。
先輩は当たり前の話だけれど僕が入学した時から生徒会執行部の役員で、言ってみればとても偉い。一年生の僕たちにとっては逆らうなんてとんでもない存在だ。
けど、いつもはそんなことは感じさせない気さくな態度で、僕たち後輩の執行部員たちにも何かと話しかけてくれたり、気を使ってくれたりする、そんな先輩で、同級生の間でも評判がいい。

……けれど、実のところ僕はこの先輩が少し苦手だ。どこがどうとか、細かく指摘できる理由があるわけじゃない。なんとなく、この人のもつ全体的な雰囲気が、としか言いようがない。

しかしそんな僕の個人的な感情を表に出すわけにはいかない。僕はこのとき、おそらくとても微妙な表情をしていただろう。

先輩はそんな僕の表情に気がついていないのか、それとも気が付いているけどそんなことは気にしないのか、とにかく僕の隣の空いている椅子に座って、僕のやっている作業を手伝い始めた。

「い、いいですよ、先輩がそんなこと……」
「いいから。別に紺野だけがやらなきゃいけない仕事ってわけでもないし、僕だけふんぞり返って話するってのも居心地悪いし」
「はぁ……」
「ま、紺野が、資料作りは自分一人でやりました、って言って点数稼ぎしたいんだったら別に止めないけど?」
「そんなこと、考えてません」
「だよな」

……こういうところ。 
ため息を押し隠す。
赤城先輩は器用にプリントをまとめ、がちゃんとホチキスで留めていく。
そのまとめられた資料が10部を数えるくらいになったころに、先輩はようやく口を開いた。

「なあ、紺野って、お姉さんがいるって言ってたよな?」
「はあ、姉ですか」
「いくつ?」
「今年大学4年です」
「4つ上か……」
「先輩? 言っておきますけど姉は……」
「ああ、いやそうじゃなくてさ」

やめておいた方がいいですよ、大人しい顔をしているけど弟には容赦のない姉なんです。
そう言おうと思ったのだけど、赤城先輩はひらひらと手を振った。まあ、僕の思っていたようなことではないことくらい、予想はついていた。
だって、赤城先輩には恋人がいるらしいって、もっぱらの噂だったから。……恐ろしくて、同級生の誰もがその真相について本人や近しい人に尋ねたリはできていないのだけど。

「そうじゃなくて。女性って、どんな音楽を聴くのかな―、と思って」
「音楽……ですか?」
「そうそう。好きなアーティストとかさ、流行っている曲とかさ。なんか知らないか?」
「……」

言われて、僕は姉の部屋のことを思い浮かべてみた。
けれど、もともと姉の部屋になんかここ最近は近寄ったこともない。ましてや聞いている音楽など、もし知っていたとしても僕の知識にはなくて判別がつかなさそうだ。

「……申し訳ありませんけど、僕、そういう方面には疎くて……」
「ああ、そうか。……そうだったな」
「お役にたてずにすみません」
「ああ、別にいいよ」

赤城先輩は最後にホチキスで留めた資料とトントン、と机の上で直すと、言い終わるか終らないかのうちに立ち上がった。
そして来た時と同じように唐突に生徒会室のドアを開いた。

「変なこと聞いて、悪かったよ。気にするなよ」
「いえ、こちらこそ申し訳ありません」
「いいんだ、もともと、紺野にはあまり期待していなかったから」

赤城先輩の姿が消えたドアを見て、僕は我慢していたため息を吐き出した。
……こういうところ。





スッチャーのリサーチをしている、ということで一つ。

玉緒先輩は赤城のこういう一言余計なところがすごく気に障るんじゃないかと思うのです。
彼自身は真面目で、人に好かれよう、よく思われようと思って頑張っちゃうような人だから、いろいろ言いたいことがあっても我慢していると思うんですよ。
それなのに赤城は平気で言い放つというね。 それなのに「赤城だからな」の一言で済まされているというね。

こういういろんなことが重なって、苦手意識につながっているんじゃないかと思ったりしたわけです。

よくわかんない話。しかし赤城の余計なひと言がすごくイラっとくる感じに書けた、と自画自賛。

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