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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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最終回です。

最後はおまけみたいなもんです。



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赤主SS <いつも、いつまでも>


※以下をよくお読みのうえ、ご了承のうえ先にお進みください。
・赤城×デイジー前提
・卒業後、大学生設定
・灯台に告白に来たのは佐伯、でも振られた
・佐伯とデイジーは大人な意味での関係あり
・ぶっちゃけ、佐伯は当て馬です。

赤城が出てくるのは4話からになります。
赤城のキャラが、ゲームのイメージと大きく違います。爽 やかでもカッコよくもありません。
「こんなん赤城じゃない!」とか言わない。これ約束。
許容できない方は読まないで下さい。管理人は打たれ弱いです。


◆本文はこちらです。
1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話 9話 10話 11話new!!

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(いつも、いつまでも)


11








「それにしても、赤城くんってずいぶん煙草吸うよね、ヘビースモーカー?」
「それほどでもないだろ」
「お酒も飲むし、煙草もやるし、パチンコもスロットもやるし……まるっきりダメダメ男じゃない」
「ヒド。それが彼氏に言う台詞か?」
「だって、本当のことだもーん」
「ちなみに競馬もやるよ。ボートと自転車のほうは、まだデビューしてないけど」
「うわー最低」
「よく言うよ」
「これで一流大学法学部在籍、じゃなかったらさすがにちょっと引く」
「それは偏見だな。世の中には酒も煙草もギャンブルもして、世間的に大成功してる人だって探せばどっかにいるはずだ」
「そうかなぁ」

よく晴れた暖かい日。
雪は部屋の窓を全開に開け放った。カーテンもシーツもクッションカバーもなにからなにまで洗濯機の中で回っている最中だ。

「にしても、オンナはやらないだけマシだろ」
「やったら別れる」
「さて、君がそんなに簡単に僕から別れられるかねぇ」
「あのねぇ! 冗談じゃないからね!」
「あはは。いいね、君はやっぱりそうやって突っかかってくる方が断然いい」
「……もう。からかってないで、真面目に言ってよね」
「僕が他の女になんて、目を向けるわけがないだろう?」

背中からぎゅっ、と抱きつかれ、正直戸惑う。
けれども、なんだか高めの体温と、一回り大きな身体、それに少し強めに香る煙草の匂いにももうずいぶんと慣れてしまった。
赤城の腕の中におさまったまま、そういえば、と雪は思い出して尋ねた。

「ねぇ、いつから煙草、はじめたの?」
「そりゃ、ハタチになってからだよ。法曹界を志そうとするものが法律をないがしろにするわけにもいかないし」
「それはそうだろうけど……でも、なんで? 高校生の時の赤城くんはそういうの絶対にやりそうもない爽やかな優等生だったよ?」

今でも思い出せる。
はばたき学園の紺のブレザーがよく似合う赤城は、絵に書いたような「優等生」だった。羽ヶ崎学園の雪から見たら手に届かないほどの高みにいるような気さえして、隣に並ぶことがおこがましいような気持ちになったことがあるくらいだ。

「なんで、そんな不良みたいになっちゃったの?」

すると、雪を抱きしめたままの赤城はくつくつとおかしそうに笑う。

「不良……。なかなかセンセーショナルな形容をするね」
「そう? あ、もしかして、失恋しちゃったと思ったから、ショックで、とか?!」

ぱっ、と思いついて雪が言うと、赤城はブッ、と吹きだした。
そのまま、雪の身体を離して、腹を抱えて笑い始める。

「あはははは!! そりゃ、いいね! 失恋のショックで、ふっ、不良に……!」
「なっ、なによう! そんなにおかしい?」
「あぁ、おかしいね。……あー。笑った。 本当に君は僕を飽きさせないよ。最高だ」

目に涙さえ浮かべて、赤城は笑う。その様子を雪はふくれっ面をして見ていた。

「そんなに笑うことないのに」
「ごめんごめん。……だってさ。……あはは。 あー、かわいい子だよ君は」
「もう!」

赤城が再び手を伸ばして来て、雪の身体を捕まえた。ついでに今度はほっぺたに軽くキスされる。
少しくすぐったくて、雪は首をすくめた。

「笑いすぎ」
「ごめんってば。……しっかし。 こっちが僕の本性だよ、酒も煙草もやる不良なんだぜ、僕は」
「ふぅん……、じゃあ、どうして高校の時は格好よかったの?」
「あの頃の僕はさ。君にいいところを見せようとして、だいぶ格好つけていた」
「えっ……、そ、そうなの?」
「そうだよ。あ、もしかして、ああいう方が好みだった?」
「ど……どうだろう?」

たしかに、最初は優等生の赤城が好きだった。けれど、再会して赤城が変わっている(ように、雪には見えた)のを知っても気持ちは全く変わらなかった。
だから、本当はもうどちらでもいいのかもしれない。
雪は、すぐ近くにある赤城の目を見つめた。

「きっとわたしは、どんな赤城くんでも好きだよ」

言い終わるか終らないかのうちに、どすん、と床に押し倒された。
耳に、頬に、そして唇におとされるキスに押し流されそうになりながらも、なんとか息継ぎをする。
そして、叫ぶ。



「ダメだってば! シーツも枕も、みぃんな洗濯中なんだから!!」
「そんなこと知るもんか」
「ダメだったら、ダメーーーーっ!」



開け放った窓の外から、爽やかな風が吹き込んできていた。








10話へ 


どうもありがとうございました。
感想など、頂けるとすごく参考になります。
今回は特に、ドキドキしてますので。


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