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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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お誕生日おめでとう!!

一日遅れちゃった!!

というわけでこんばんは! なんとかおやすみが取れるようになってきましたが、身体が変になってます。
暑いからでしょうね、皆さまもお気を付け下さいませ。

拍手メッセージありがとうございます!
従来はサイトのレスページにお返事していますが、7月末以降に頂いた分に関しては近日中にお返事しますので!
すみませんが少々お待ち下さい~!!

というわけで、もう発売一カ月以上たって解禁かとは思いますが隠しくんについて続きに。





平くんお誕生日おめでとう!!! 一日遅れちゃってごめんよぅ。

というわけでお祝いテキスト書きました。
2010年なので高二の平くんとバンビです。

平くん対応バンビちゃんは、人見知りで自分に自信がなくて人についていくタイプの女の子です。
でも人一倍頑張っちゃうのと素質があるので、やってみると何でもそこそこできちゃうのですが、「わたしなんか」といつも思っています。……という設定。
そして平くんはそんなバンビにいつも「バンビちゃんならできるよ、大丈夫!」って声をかけてます。
バンビはそんな平くんが好き。
平くんはバンビのことを人気者で学校のアイドルで手の届かない存在だと思ってます。俺なんかじゃ釣り合わないよな、と思ってる。でも好き。

そんな感じの二人です。


ちなみに、平くんの誕生日起動ボイスのネタバレも含みますのであしからずです。



平くん!!!好きだーーーーーー!!!!!

おめでとう!!!!!



というわけでテキスト。



【あの子は女王さま(おためし)】




「平くんの誕生日って、いつ?」
「8月8日。末広がりの八! 縁起のいい日に生まれただろ?」
「ふふっ、そうだね。それに覚えやすいし」
「うん、だけど夏休み中だから、家族以外に祝ってもらったことってないんだ」
「そうなんだ」

俺に、誕生日を祝ってくれるような特別な仲になった子なんていたことないしね。という本音は腹の中にしまっておいた。

彼女とは、こういうちょっとした会話なら数えきれないくらいしている。なにしろ、入学してからずっと同じクラスにいるんだから。残念ながら特別スペシャルな思い出っていうのはないんだけどね。
もちろんこの話をした後めぐってきた誕生日も、俺は当たり前のように自分の家で家族と一緒に過ごすつもりだったんだけど。


****


どうしよう、どうしよう。おろおろするばかりで何もできないまま今日が来てしまった。
今日、8月8日はわたしがひそかに片思いをしているクラスメイトの平くんのお誕生日。
お祝いをしてあげたい。好きな人の誕生日だもん。できればプレゼントを渡して、おめでとうって、直接会って伝えたい。
けれど、わたしは平くんのこと、ほとんど何も知らなくて。プレゼントだって何をあげたら喜んでくれるのか分からないし、そもそも夏休み中で学校もないのにどうやったらプレゼントを渡すことができるのかもわからない。
それに、わたしなんかがお誕生日のプレゼントをあげたって、平くんが喜んでくれるかどうかも怪しい。タダのクラスメイトなのに、急になにしてんの? って思われちゃうかもしれないし、大体私からおめでとうなんて言われたくないかもしれないし。
平くんは優しい人だから、きっと口では喜んでくれるんだろうけど……。わたしには全然自信がない。

(はぁぁ……、ダメだなぁ、わたし)

渡せなくても買うだけでも! とおもってやってきた商店街の雑貨屋さんで、男の子用のどくろクマのTシャツを手にとって、ため息をつく。
こんなのダメに決まってるよ。あぁ、平くんは何が好きなんだろう。分からないよぉ。

幼馴染の琉夏くんや、琥一くんにだって誕生日のプレゼントなんかしたことがないのに、やっぱりわたしにはハードルが高すぎたみたい。
好きな人におめでとうの一つも言えないなんて、わたしってどうしてこうなんだろう……。
平くんが喜んでくれそうなプレゼントを見つけることができず、しょんぼりしながらお店を出る。

(あつぅい……)

眩しい太陽がちょっと恨めしかった。


****


塾の夏期講習がおわって、俺はぶらぶらと商店街を歩いていた。
こういう暑い日は、さっさと帰ってエアコンをつけた部屋で宿題を片付けたあとはマンガ読んだりゲームしたりするに限るんだけど。

(さすがに誕生日まで、家でダラダラはちょっとな……)

一緒に過ごす相手もいないのに、見栄だけは張りたいお年頃なんだよ、悪かったな。
それにしても、暑い。日陰を選んで歩いているけれど、それでも汗が出てきそうだ。どこか喫茶店かファーストフードにでも入って、冷たい飲み物を飲んで落ち着こうか、と思った時にその子は視界に現れた。

(あっ!)

彼女だ。
私服姿の彼女を見るのは初めてかもしれない。
雑誌で見た流行色のワンピースに、日よけなのか帽子をかぶっている。やっぱり、私服も流行を外さないんだな。彼女のワンピースは良く見る色だけれど、みんなと同じには見えないのは、彼女の着こなしなんだろうな。

やっぱり、可愛いな。
改めて、思う。同じクラスの彼女はクラスの中でも、いや、学年の中でもすごく可愛い部類に入る女の子だ。男子の中でも憧れてるとか、可愛いとか言っている奴は多い。
あわよくば付き合いたいとか、告白したいとか、そこまで行かなくても一緒に写真撮りたいとか、一緒に帰りたいとか、同じクラスになりたいとか隣の席になりたいとか……、あぁ、まずいよ、これ、おとんど俺の願望だ。
とにかく、彼女は俺にとっても憧れの女の子。……も、もちろん、付き合いたいとかそんな大それたことは考えていない。彼女みたいに可愛くてみんなに好かれている人気者と、俺みたいに何やっても中途半端で、真ん中の存在でしかない地味な男なんて釣り合わないのは最初からわかってるからさ。
俺は、同じクラスにいられて、たまにちょこっとだけ話しができて、それで、こうやってたまに姿が見られれば、それだけで十分。

お店から出てきた彼女は俺にくるりと背を向けて、どんどん遠ざかっていく。
とっさに、手がカバンのポケットを抑えた。そのポケットに入っている、小さなものの存在。

(……えぇい!)

俺は覚悟を決めて走って彼女を追いかけた。
だって、今日は俺の誕生日。
こんな日に会えるはずがない彼女に会えたのも、何かの縁だろう?
いつもは姿を見られただけで幸せを感じられる俺だけど、ちょっとくらい誕生日の贈り物をもらってもいいじゃないか。



****


暑いからか、平くんのほっぺはちょっとだけ赤いような気がした。
だいじょうぶ? って聞いたら、「全然! 君こそ、暑くない?」って逆に気を使われちゃった。えへへ、平くんって本当に優しい。ペットボトルのお茶を持ってるから、大丈夫だよ、って答えて、そういえば熱中症とかを予防するには水分補給するのがいちばんだ、ってテレビで言っていたのを思い出した。

「平くん、お茶、飲む?」
「えっ!?」
「あんまり暑いと、熱中症になっちゃうよ? お水のんで?」
「え、え……あ、う、うん! 俺、自分の持ってるから!大丈夫!」

渡そうとしたペットボトルをぐい、と押し返されてしまって、わたしはそれをカバンの中にしまった。
平くんはなんだか慌てたようにぱたぱたと自分の顔を手で扇いだりしていて、それを見てやっぱり暑いんじゃないかなあ、大丈夫かなあ、って思った。
それで、そんな平くんを見ていてわたしはあっ、と思いだした。
そうだ。今日、出掛けてきた理由! こんなところで平くんに会えるなんて思っていなかった!
ぎゅっ、と握りこぶしを作って、わたしはありったけの勇気を振り絞った。が、頑張らなきゃ。いつも励ましてくれる平くんのために。

「平くん! ねぇ、……あの、ほ、欲しいもの、ある?」
「欲しいもの?」
「うん。あの、今日、平くんのお誕生日だから、プレゼント、あげたいなって」
「え!」

そう言うと、平くんはまるでハトが豆鉄砲を食らったような顔(わたし、ハトに豆鉄砲を食らわせたことなんかないけど)をして一瞬固まってしまった。
あ、あれ? わたし、なにか変なこと言っちゃったかな? 平くんのお誕生日、今日じゃなかったのかな? 間違えてた?

「えっ!? な、なに……、もしかして、お誕生日、今日じゃなかった?」
「うっ、ううん、ちがう! あ、いや違わないよ、誕生日、今日! 覚えててくれたんだ」
「うん。末広がりの八、でしょう?」
「そうそう! ……へへっ、なんか、こういうの嬉しいな」
「えっ?」
「君が、俺の誕生日を覚えててくれたなんてさ」

顔をくしゃっとゆがめて笑う平くんの笑顔って素敵だなぁって、わたし、思わず見とれちゃってた。


*****


なんか、夢みたいだ。
あまりにも暑くて、白昼夢を見てるのかも。……あれ? 白昼夢って、こういう使い方で合ってるんだっけ? なーんていってたら、大迫先生に怒られるかも。
彼女が、俺の誕生日を覚えててくれてたんだって。
たしかに、いつだったか教室でみんなで話していたときに誕生日の話になったような気もしてるけど。
というか、俺だってその時聞いた彼女の誕生日はちゃんと覚えているけど。
けど、逆のパターンは想定してなかったな。彼女が、俺の誕生日を覚えているなんて。それで、「欲しいものはなに?」なんて、俺、期待しちゃうよ。
あまりにも場違いな、というか身に余るようなことが起きているような気がして、本当にこれは夢なんじゃないかと思った。

……夢なんだったら、さっき彼女が差し出してくれたペットボトルのお茶、飲んでおくんだったなぁ。間接キス! と思って思わず拒絶しちゃったよ。

少しぼうっとそんなことを考えていたら、彼女がこくん、と首をかしげた。

「平くん。それで、欲しいもの、ある?」
「うーん、そうだな……欲しいもの……ねぇ」

あっ。欲しいもの、欲しいもの……そうだな。

「……」
「…………」
「………………」
「うーん……」

俺がうなると、彼女がさっき傾けた首を逆にこくん、と曲げた。ヤバい、そういう仕草、可愛すぎ。

「ないの?」
「うーん……」

欲しいもの、と改めて言われると急には思いつかない。
いや、あるにはあるけどね、さっき塾でシャーペンの芯が切れたとか、新しい英語の参考書がほしいとか。
でも、そんなものもらうわけにいかないじゃないか。だって、せっかく彼女が誕生日にプレゼントくれるって言ってるんだ。
ヘンなものじゃあ申し訳ない。こんなこと、二度とないかもしれないから大事にしたいし。思い出になるようなものがいいし。
……かといって、ヘンな欲を出して下心があるなんて彼女に思われたくないし。
そんなこと考えてると、全然分からなくなってくる。せっかくのチャンスなのになあ!

腕組みをして、俺がうなると彼女はその俺の首の方向にいちいち首を向ける。
あれだ……えぇと、水族館とかで光を追いかけるペンギン、いるだろ? アレみたいですごく可愛い。ずっと見てたくなる。
……じゃなくって! ああ、もう。真剣に考えなくっちゃ!

と。じわりと額から汗がにじんでくるのを感じて、思いついた。……今日は暑いよな。

「あっ、一つだけ欲しいもの、あった」
「えっ。なに、なに?」

ペンギンみたいに首を右左させてた彼女がぱっと俺の顔を見上げる。……ほんと、大好き。今すぐ告白したくなってくるから、そう誘惑するの、やめてほしいなあ。
俺は可愛すぎる彼女の顔を見てちょっと困ってしまって、額の汗をぬぐうふりをして一瞬だけ彼女から目をそらした。
そして、誕生日プレゼントにほしいもの、一つだけ提案してみる。

「えぇとね。君と、一緒にお茶、したいな。どう?」

「そんなことでいいの?」

彼女は驚いたように目を丸くした。あ、こういう表情も初めて見るかも。いいね。
驚く彼女に俺は一つおおきくうなずく。

「いいよ! さあ、行こう!」
「えっ、あの……きゃっ!」

もしかして、俺が今まで生きてきた中で最高の誕生日になるかもしれない。
少しだけ汗ばんだ手で彼女の手をつかんでしまい。俺は慌てて手を離した。

「ごめん! ……行こう?」
「う、うん!」

やった!
俺は手近な喫茶店まで、彼女をエスコートする。
こんなことって、あるんだな。真面目に生きてきて良かった!







2010/08/09
一日遅れでごめん、平くんお誕生日おめでとう!



謙虚な二人が大好きだ。



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