小春日和(ウチの志波デイジーのコトではなく今日の天気）

今日も拍手をありがとうございました！！
小ネタばっかり更新なのに、ありがとうございます。
ちゃんとしたものも書きたいですね。頑張ります。

誕生日って、いいなぁ。リアルでも友達の誕生日が近くて、なにかプレゼントを用意しなくてはなりません。
デイジーみたいに喜ばれるものをプレゼントしたい。


えーっと。まずは今日も赤城妄想、です。
久しぶりに赤城家。
デイジーはおろか、一雪すら出てこない！！

「そろそろユキちゃんの誕生日ね～」
「一雪？」
「そうよ。　あら、そういえば彼女の雪ちゃんのほうは誕生日、いつなのかしら。今度ユキちゃんに聞いてみなきゃ」

　紛らわしい。成人　間近の弟のことを「ユキちゃん」と女の子のようにいつまでも呼んでいるからこうなるのだ。
　とはいえ、俺もいまだに「タイちゃん」なわけだけど。
　二人とも、思春期の頃に反抗しなかったのが悪い。きっとこの人のコトだから死ぬまでこうだ。

「……母さん、まったく持って紛らわしいから、どっちかの呼び方を変えてくれないか？」
「そうかしら、お母さんは全然紛らわしくないわよ」
「そりゃあ、母さんは分かってるから混乱しないだろうけどね……」
「ユキちゃんの誕生日、今年はどうしようかしら」

　こののんきな母親は、俺の主張などには耳を貸すつもりはないらしい。

「残念ながら、今年はウチで祝う必要はないんじゃあないかな」
「あら？　どうして？」
「だって、立派な彼女がいるんだから、きっとウチになんか帰って来ませんよ」
「そうかしら。　……だって、タイちゃんは去年もおととしも、おうちでお祝いしたじゃない」
「そりゃあ、残念なコトに俺には誕生日を一緒に祝ってくれる彼女がいませんでしたからね」

　ええ、それはまことに残念なコトに、俺には一雪にとっての雪ちゃんのように、たった一人に決めて愛する女性というのはまだいないわけでして。
　母親はそれを聞くと、さらにのんきな声を上げた。

「あら、そうなの。　まあ、どうしましょう。ユキちゃんの誕生日のお祝いが出来ないなんて、お母さん淋しいわ」

　それはそうだろう。
　この人は主婦の鑑とも言えるような人で、パートに出るコトもなく、風邪で寝込むコトもなく、いつも「ただいま」と帰れば家にいてくれた、そんな人だ。
　いつも俺と一雪、そして父親の誕生日には立派なゴチソウを作った。自分の誕生日には、簡単に出来合いのケーキを買ってくるだけだって言うのに、俺たちのためにはいつも手ずからケーキを焼いてくれた。年に３回、俺は彼女のケーキが食べられる日をとても楽しみにしているんだ。

「帰ってこさせればいいよ。当日じゃなくても、次の日とか、さ。雪ちゃんにも来てもらえばいい」
「あら！　そうね、今年からは5人でお祝いができるわね。まあ、それはとっても素敵なことじゃない」
「ああ、そうだ。雪ちゃんの誕生日も、これからうちでもお祝いしたらいいじゃないか」
「そうね。　楽しみだわ。　……さっそくユキちゃんに電話しておきましょうね」

　いそいそと携帯電話を操作する母親を見て、俺は少し嬉しくなった。
　……彼女のケーキが食える日が、一日増えたじゃないか。




　母親って！！　偉いなぁ。親孝行しようと思いました。