恵方巻き巻き

今日は節分ですね。
昨年の今日のブログを見てみたら、3日は書いてなかったけど4日にやっぱり節分の話を書いてた。
というか一年前なのにすごくまともな話を書いててどうしようこの落差、と思った。

◆赤城
せっかく節分なので恵方巻……



「そんなの迷信だろう？」

現実主義者の赤城くんはにべもない。
世の中法律だけが頼れるものじゃないんだからね、と言いたいけれどそんなこと言ったら何十倍にもなって帰って来そうな気がするから言わない。
その代わり、わたしは買ってきた太巻き寿司のパックをテーブルの上に出した。

「そうかもしれないけど、今日のご飯はこれしかないよ」
「仕方ないな」
「いいじゃない、おいしいんだから」
「君がそれで満足なら、僕は何も言わない」

可愛くないことを言って、赤城くんはテーブルについた。
丸かぶり、なんていうけれど実際にそんなことできないので食べやすい大きさに切り分けたお寿司を二人で食べる。

「……今日は日本中の家の多くがこうして恵方巻を食べているんだろうなあ」

赤城くんが突然そんなことをいうから、わたしは

「そうかもね」

とだけ返した。
一体なにを考えているのかなあ、と思ったけれど、わたしは結局黙ってお寿司を食べていた。

しばらく私たちはそのまま食事を続けていた。
最後になって、赤城くんはまた急に

「まあ、僕の願いはほとんど叶ったから今更願い事なんていらないけどね」

なんて言いだして。
わたしも同じような感じだなあ、と思って二人で笑ってしまった。

こうして二人でいられたら、他に願い事なんてほとんどないのだ。













仲良しな二人。