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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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勢いだけで書いてみた

ツイッター診断で出ちゃいました。


「あなたは『何もしてあげられないのにどうしてここにいてくれるのかわからない』音羽くんのことを妄想してみてください。」shindanmaker.com/450823




ふむ……。




(何もできない僕)
霧島くんと音羽くん。3Mj結成前で二人きりでレッスンなどをしていたころ。という捏造。






 霧島くんがいる。
 僕の隣に。

 見てないけど分かる。霧島くんは、いつもの無表情みたいな涼しい顔で僕の隣に座っている。


***


「……というわけで、衣装のコンセプトは……な感じで。楽曲も……さんや……さんなどに……」
「……の方も順調に進んでいますが……でありまして、問題は……ということと……」
「そこがクリアになれば……、……ということですね。メンバーは……」
「現在……です。……と……を今後は増やしていく方向で……ということに……」

 今日のミーティングもさっぱりわからなかった。
 最後に、今後に向けての計画と、今までのタッセイジョウキョウ? とか言うのを聞かれたのだけど、半分以上寝ていた僕にそんなこと分かるわけがなく、ちゃんと答えた霧島くんの隣で、僕は「霧島くんと同じです」と言っただけだった。

 もちろん、事務所の偉い人に散々怒られた。



***


「霧島くんは、どうして僕を選んだの」
「何度も言っているだろう。俺のイメージする王子の姿にピッタリなお前が俺の前に現れたからだ」
「じゃあ、僕があの時あそこにいなかったら、霧島くんは他の誰かを選んだの」
「いや、妥協する気はなかった。俺はシンに出会うまで、ずっとシン、お前を探しただろう」

 なんて……。なんという殺し文句なのだろう。僕はぽかんとして霧島くんの顔を見上げてしまう。
 霧島くんは、いつもの顔をしていた。無表情のような、自信に満ち溢れた顔。

 ちがう。無表情なのは僕の方だ。
 何もできない。僕はどんな顔にもなれない。だって、なにを求められているのか分からないのだから。

「僕は王子様なんかじゃない。王子様になんかなれない」
「どうして」
「だって。僕にはなにもない」

 霧島くんが、僕に何かを求めているのだとしたら、僕はそれにこたえたい。僕は霧島くんのためなら何でもやる。そう決めていたのだけど、今日の僕にはどうしてもそんな気持ちになれなかった。霧島くんが僕になにを求めているのか分からなかった。

 僕は何もできないのに、どうして霧島くんは僕にこんなに良くしてくれるのか、それすら分からなかった。

 子どもの用に弱音を吐きまくる僕の隣で、霧島くんは呆れたようにひとつ息を吐いた。
 ああ、霧島くんにも見捨てられてしまったら、僕はまた向こうへ戻らなければならない。なにより、まだ霧島くんに返しきれていないものが多すぎるのに。

 そう簡単に涙は出てこないけれど、気持ち的には泣きたいような気分になって僕は霧島くんの顔を見上げることしかできなかった。

「シン。お前にはちゃんとある」
「……?」
「なにもないなんて言うな。お前には音羽慎之介という名前があって。居場所があって、やるべきことがある」
「ある?」
「なによりも、お前には俺と一緒にアイドルになるという使命がある。そうじゃないか?」

 霧島くんはいつものように淡々と、それはもう今日の天気を告げるお天気キャスターのお姉さんだってもすこし感情があるんじゃないかって言うくらいの、そういう言い方だった。
 まるで。……今更そんな当たり前のことを言わせるな、というような。

「僕にもある……」

 口に出すと、それはとても当たり前のようなことに思えた。



***


「シン。思ったんだが。お前、王子というものが分かっていないんじゃないか?」
「あ? 分かった? そう。王子様ってなに?」
「よし。今夜は俺の部屋で特別講義だな」

 霧島くんは嬉々としてレンタルビデオ店に行くと言って出掛けて行った。
 これは……、ちょっと前に「アイドルグループとは」という講義(という名のほぼ徹夜DVD観賞)をさせられた時と同じだ……!

「隊長、お菓子の持ち込みはOKでありますか?」

 僕は慌てて財布を掴むと、霧島くんの背中を追いかけた。











(音羽くんは「音羽くん」というなにも入っていない大きな水槽のような入れ物で、中にお水とか水草とか金魚とか砂とかきれいなものをたくさん入れていったのが霧島くんだと思う。という話)
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