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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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好きだった彼女がのろけ話を聞かせてきます

最近自分の性癖がリアルでもMなんじゃないかと思えてきた。
でも誰にでもじゃなくて好きになれる人限定で。


そんなどうでもいい話は置いておくとして、久しぶりに赤城の話を書きたいなあと思ったのに
佐伯さんの報われない話になってしまうのでした。





 俺の人魚だと思っていた女の子は、どっか知らない国の王子のお姫様だった。

「それでね。赤城くんて意地悪ばっかり言うんだよ。高校のときは、いかにも優等生です、って感じのさわやか~な人だったのに!」
「ふーん」
「それでね、悔しいからこの前、『高校のときの赤城くんはそんなこと言わなかった』って言ってみたの。そうしたら、なんて言ったと思う?」
「さあ」
「悪びれもせずに、『あの頃は、君に好かれようとして演技してたから。今はもうそんな必要ないしね』だって! 酷いと思わない? 酷いよね。もう、わたしに優しくする必要ないみたいじゃない」
「はいはい」

 俺はコーヒーを入れたカップをそいつの前に差し出して、ため息をついた。なんか、コイツの前でため息つくの久しぶりだな、なんて思いながら。

「そんなにそいつのことが嫌なんだったら、分かれたらいいだろ。そんで……うん。そしたら、俺がまた、優しくしてやらなくも……ないし」

 自分でも、なにを言ってるんだか、と思う。
 もうそんな望みがないのはきっちりはっきり分かっているし、俺にだって本当のところそんな気はない。
 ないのに……なぜか、口から出てしまっていたのだから仕方がない。冗談だ、と言ってすませられれば良かったのになんかタイミングを逃した。ああ、もう。

 それなのに、そいつは俺の顔を見てキョトンとしたまま3秒くらい固まった。
 それから、息を吐き出すようにして笑う。

「やだ、瑛くんなに言ってるの。そんなわけないじゃない」

 そうして、ひとしきり笑った後コーヒーを一口だけ口に含んで、ゆっくりと飲みこんだ。
 俺はぶすっとしたままなにもせず、それを眺めていた。

「瑛くんだって、最近仲いい子がいるんでしょ? 知ってるよ。学校中で噂になってる」
「あいつは……、仲いいっていうか、そういうんじゃないし」
「でも瑛くんが女の子と仲良くするのなんて珍しいもん。上手くいくといいね」
「だから、そんなんじゃないって」

 否定したけど、「分かってるよ」とか言われてあしらわれた。……そういうんじゃないったら。
 でも、こいつが笑ったからまあ、いいか。と思う。

「瑛くんと恋バナできるようになるの、楽しみにしてるからね。あと、ダブルデートも!」
「そっ、そういうのしないからな俺は!」

 ふふふ、と笑う顔は確かにかわいかった。

 それを見て、俺は別の顔も思い出していたのだった。
 それは確かに。だから、仕方ないから、それはそうなんだと……認めなくもない。
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