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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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もうひとつ、赤城

普通に優等生な赤城くんも好きですが、だいぶ前から自分で考えるときは設定もりもりで全国の赤城ファンをt形に回してしまうような赤城ばかり考えています。

というわけで、続きは卒業式当日の赤城。






 僕の通っていた高校には、伝説があった。
 それは、その学校の生徒ならほとんど全員が一度は耳にしたことがあるだろう、というくらいは有名な話で、でも結末については誰も詳しい話を知らないせいでその話の信ぴょう性に関しては全く信頼性のない、……伝説なんて大抵そんなものだとは思うけれど。

 僕がそれを聞いたのは、いつだったかもう忘れてしまった。

「……だから、卒業式の日にそこで男子が女子に告白すると、そのカップルは永遠に結ばれるんだって」

 森の王子と王女のおとぎ話を聞いていたはずなのに、突然学校の裏にある小さな教会が出てきたから僕あh大いに面食らったのだった。
 自他共に認めるリアリストだった僕は、その話を離し半分に聞いてそれからそのことはほとんど忘れて過ごしていた。



(…………どうしたものか)

 卒業式が終わり、クラスのみんなや生徒会の面々との別れもひと段落終わり、一瞬僕は一人になっていた。
 校内に残っていた生徒たちも人影はだいぶまばらになってきている。
 そして僕は、ひとりの女の子のことを思い出していた。

(そもそも、彼女ははば学の伝説なんか知らないんだし。行っても意味ない。無駄に期待してがっかりするだけ。いつもみたいに)

 二週間ちょっと前の雨の日のことを思い出す。
 自分でもう二度と会わないと決めておきながら、それでもやっぱりまだ会いたいと思ってしまう気持ちが残っている。
 勝手に傷つけて、勝手に好きになって。全部自分が悪いのにそんな都合のいいことなんか起こるわけないよな。

(って、頭では分かっているんだけどなあ)

 三年間、この近くには近寄ったこともなかった。だから、噂の教会が思った以上に小さかったことに僕は軽く衝撃を覚えた。

「ちっさ。古。……ドア、壊れてないかな」

 思わずつぶやいてしまった。

 ざわり、と風が吹いて、小さな教会の周りの木々の葉を揺らして、僕の心の決心を少し鈍らせた。




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