超氷上くんブーム

氷上くんってそんなに気にしていたキャラじゃなかったんですけど、知れば知るほどいい子で、本当に大好きですね。
こんなに素直な子って、現実にはいないじゃないですか。そういうところがいいのかなあ。

つーわけで、連日の氷上くん。

最初は間違いなくどっちもお互いのことを恋愛対象外だと思ってそうだなー、って思うのです。
そういうとこも想像してると楽しくてさ。



　うー。このヒト、ニガテ。ちょーニガテ。
　同じ学年だし、お互いに名前も知ってるし、知らない仲じゃないのに「遅刻は遅刻だ」っていってぜーーーーったいに見逃してくれない。他のヒトだったら、こんなちょっとだけの遅刻、今回だけだよって言って見逃してくれるのに。今日も、お願いだから、一生に一度のお願い！　って言ったのにぜーんぜん聞いてくれなかった。

「君、そろそろ遅刻理由を記入する欄がすべて埋まってしまうぞ。本当に気をつけたまえ」
「はぁ～い」

　だったら、今日の遅刻を見逃してくれればいいじゃん。
　私は腕に「風紀委員」の腕章をつけたその人の顔を見上げた。いつもとおんなじ、眼鏡をかけた真面目ぶった顔。私の生徒手帳に、日付と時間を記入しているのは氷上格くんだ。

「さあ、すぐに教室に入るように」
「はーい」

　氷上くんから生徒手帳を返してもらって、わたしは校舎に向けて歩きだした。
　どうやら今日はわたしが一番最後だったようで、氷上くんも一緒についてくる。

　そう言えば、本当は遅刻するのはダメだけど、でもそのおかげでこうやって氷上くんと知り合うことができたのかなあ、って思いだした。最初に出会ったのは階段のところで、アレはちょっとびっくりしたけど、あの時は名前も知らなかったし、やっぱり私はこうして校門のところでしか氷上くんと出会わないと思う。

「あっ、ねぇ氷上くん」
「なんだい？」
「このさー、生徒手帳の遅刻のページが埋まっちゃったら、どうすればいいの？」
「事務室に行って、新しい生徒手帳を発行してもらう手続きをしなければならない」
「えー。メンドクサイ……」
「ちなみに有料だぞ。だから、そうなる前に、遅刻しないで学校に来れるようになるにはどうすればいいか、一緒に考えよう」

「……えっ？」

　なんで？　って思った。
　私が遅刻しちゃうことは氷上くんには全然関係がないし、わたしが遅刻しなくなったって、氷上くんになにかいいことがあるわけじゃないのに。
　なんでわざわざ、そんなことしてくれるんだろう、このヒト？

　まじまじと氷上くんの顔を見つめていると、彼は急に戸惑ったような表情になった。

「な、何かおかしなことを言ってしまっただろうか？　だとしたら、すまない」
「そうじゃないけど……」

　なんて言ったらいいかなぁ、と考えていると、氷上くんが急に大声を出した。

「君、急がないとHRにも遅刻してしまうぞ！」
「あっ、そうだね！　じゃあ、走ろう！」
「まちたまえ！　校舎内を走るのは校則で禁じられている！」
「でもここまだ校庭だよ。校庭ははしっていいんだよね？」

　駆け足の準備をしながらそう言うと、氷上くんはなんだか納得がいかないような顔をして、でも頷いた。

「しかし走るのは玄関までだ、校舎内に入ったら、走らないように！」
「分かったから、急がないとなんでしょ！　ほら、早く！！」

　一緒に走りだしたけれど、氷上くんは走るのが遅かった。
　HR、遅刻してないといいけど……。遅刻したら、私のせいだよねぇ。












そんな彼女がさ！　いつの間にか氷上くんに会うために早起きして学校に来るようになるんだよ！
そういうのが激萌えじゃないか！！！　そしてそれに気づいた氷上くんが、彼女のことを見直していくんだよ！！いいねいいねーーー！！！！