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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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かまってほしいの。かまえかまえ。

なんか楽しくなってきちゃったよ。

パラレルなお話を考えだすと止まらないところがありますね。
ときメモの話をしろよっていうところですな。

続きは修学旅行パラレル妄想。






「熱は下がってるの。一晩寝てすぐに良くなったんだよ」
「朝食には来ていたもんね」
「見てたの……?」
「うん。おはようって、言いたかったんだけど、少し遠かったから言えなかった」
「わたしも……その時に熱出した、っていうこと、言おうと思ったんだけど」

一瞬だけ気を失った彼女は、すぐに意識を取り戻した。
少しだけ赤い顔をしていたのは、熱のせいなのだと思うことにする。

朝食の席で彼女を見かけた時、女の子に囲まれていた彼女にひるんで声をかけられなかったんだなんてこと、格好悪くて言い出せなかった。
でもその時僕に勇気があれば、彼女にこんな、淋しそうな顔をさせることもなかったのに、と思うとやっぱり自分の意気地の無さが悔やまれる。
彼女のことになると、とにかく僕は失敗したくなくて、少しでも恰好付けたくなって思うように動けない。
いつもいつもそれで失敗して後悔するのにまったく学習していないんだ。

「大事をとって午前中は外に出さない、って保健の先生に聞いたよ」
「うん。熱下がったから大丈夫だって、外に行きたいって、先生には言ったんだよ」
「先生の言う通りだよ、熱がないからって油断しないほうがいい」
「でも……」

せっかくあかぎくんといっしょにおみやげかいにいくはずだったのに。

布団で口を隠しながらもごもごと言った彼女の言葉を、欲張りな僕の耳は敏感に聞き取った。

やばいな、すごくうれしいじゃないか。
彼女が僕と同じ気持ちだ、なんて高望みはしていないつもりだけれど、少なくとも今日のことを楽しみにしてくれたんだと思うとまるで少女みたいに心が高なってしまう。

布団の上からポンポン、と彼女の体をたたいた。熱を出してぐずる子供をあやすように。

「だめだよ。僕が行かせない。少なくとも午前中はずっと寝ていること」
「うぇぇ。……じゃあ、赤城くんはわたしのこと気にせず、遊びに行ってきて? 誰か、一緒に行く人がいればいいけど……」
「いや、僕は行かない」
「えっ?」

驚いたみたいに目を見開く彼女。女の子の表情って、どうしていちいちこんなに可愛らしいんだろう。――いや、彼女だからだ、こんな気持ちになるのは。

「このホテルのすぐ前にお土産物屋があるだろ。午後になったら、あそこに行こう」
「えっ、でも、あ、赤城くん」
「今日は一緒にお土産買いに行こうって、予約しただろ」
「う、うん……」

布団の中に顔を隠すようにしてうなずいた彼女に微笑んでみせた。







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