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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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こんなデイジーに赤城は惚れない

急に雨が降ってきたわけですよ。雷も鳴って。まさにゲリラ豪雨。
しかも30分もしたらまったく止んでしまって、しかも晴れてるんですよ。

この私のぐしょぬれになった靴はどうすればいいんですかね。
こういうときにサンダルはいいよね。

とりあえずベランダに出してみたけど全然乾かないし、明日一日外に干しとけば乾くかな。
また今日みたいに雨が降ったりしてね……梅雨は天気が読めませんね。


と、思いながら、雷の鳴る中傘も持たずにコンビニまで走って行ったところで、「これって絶好の赤城チャンス!!」と思ったのです。続きにそんなときに考えた赤城の話。お久しぶり。






(こんなデイジーには赤城は惚れない)



つい3分前までは、雨なんて全く降っていなかったのに。
今はバケツをひっくり返したような土砂降りの雨。目の前も真っ白く煙っていて、5メートル先も見えないくらいだ。それに、時折ピカピカと空が光り、その直後にドーンと大きな音がひっきりなしに響き渡っている。
運悪く住宅街を歩いていた僕は、雨宿りができる場所を探してばしゃばしゃと走っていた。
これ以上濡れると、かなり絶望的な気分になるな、と思ったところで、ようやく大きく軒を張り出した店を見つけた。
先客は一人だけだ。スペースは十分あるし、そこへ駆け込むと僕はようやく一息ついた。

「はぁ……まいったな……」

どこもかしこもびしょ濡れだ。ハンカチで拭いたくらいじゃ意味がないくらいに。
あーあ。傘もないし、ここから家に帰るまでが思いやられる。革靴はだいぶ傷んでしまっただろうし。

軽く髪の水気を払い、まだまだ降り続く空を見上げたとき、またしてもピカッと空が光る。あっ、と思う間もなくバリバリバリ、と何かをたたき壊すような音が腹の底に響く。

「きゃぁっ!!!」
「……ん?」

今まで何も言わなかった、もとからそこに雨宿りをしていた女の子が頭を抱えてしゃがみ込んだ。
おや? と視線を向けると、そこへ雷の第二撃が襲ってくる。

「わぁぁぁん!! もうやだー」

僕に聞こえるのも構わず彼女は泣きだしそうな声で言って、道路に背を向けて丸くなってしまった。
そこでようやく僕は気がついた。彼女は羽ヶ崎学園の生徒だった。

高校生にもなってこんなに雷を怖がる子がいるんだなんて、初めて知った。
まあ、女の子だし仕方ないのかな、と思いながら、僕は少しだけ迷った。

――声をかけようか、このまま黙っていようか。

たっぷり30秒は迷っただろうか。その間に雷が3度鳴り、彼女はさっき丸まった姿勢のまま動かない。
僕は意を決した。 さすがに、放っておくのは後味が悪い。

「あの……、君、大丈夫?」

背中越しに少し遠慮がちな声になってしまったことは否めない。僕の声に、彼女はびくりと肩を震わせた。

「だいじょうぶじゃない……です」
「そうだろうね。変なこと聞いたな……。えっと、そういう意味じゃなくて、なんていうか、このあとどうするの?」
「この後?」
「僕は少し待ってみて、少し弱まるようだったら走って帰ろうと思ってたんだけど」

そう言うと、初めて彼女は顔をあげた。
雨にぬれた前髪がぺったりと額に張り付いていて、泣きそうな寸前みたいに眉が下がっていて、正直あんまり可愛いとは思えなかった。僕に女の子の容姿をどうのこうのいう権利はないけれど。

「まあ、一応こうして話しかけてしまったことだし、このままの君をここに一人で置いて行くというのは、僕としては少し気が引ける」
「べつに、いいですよ。私のことは放っておいてくれても……きゃぁぁああ!!!」

またしても雷が会話の邪魔をする。
向こうを向いて縮こまってしまった彼女の背中を見て、僕は苦笑せざるを得なかった。
全然無理そうなのに強がるなんて、ずいぶんと気が強そうな女の子だ。

「そんなことしたら、僕がヒトデナシみたいじゃないか。まあ、雷がやむまでは付き合うよ」
「べつに……いいのに」

しゃがみ込んだ彼女の後ろから、横に立つように少し移動した。ぐしゅっと靴と靴下が嫌な水音をたてたが敢えて気にしないことにする。

「まあ、やみそうにないしね。とりあえず、ここで雨宿りするしかない」

思えば、妙な出会いだったわけだ。









赤城デイジーはデフォルトで気が強い感じになっちゃうのかな?
つーか結局いい感じになっている赤城の雨宿り効果、すごすぎる!
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