ぼくのかんがえたさいきょうにかっこいいあかぎ

ひさしぶりに赤城を書いてみたらやっぱり私は赤城が好きだったんだなぁ、と思いだしましたよ。
なんていうかね、こうね、赤城のカッコよすぎないところが好きですね。むしろカッコ悪いくらいの。
デイジーに対してもあんまり積極的に行動してこないところも好きですし。ピュアすぎるぞあいつ。

そんなわけで、GS２の舞台がはね学じゃなくてはば学だったら、赤城ってもしかしたら攻略キャラになれないんじゃないかと思ったりすることもあります。
高校生の赤城に、デイジーにデートのお誘い電話かけたりする積極性があるとは思えないのぜ……。

（はば学のプリンス）



「赤城、オッス、元気かー？」
「オッス。別に普通だよ。森が必要以上に元気なだけ」
「相変わらずテンション低いねお前。おっと、そんなお前に耳寄りな情報ですよ！」
「また、何かくだらない話？」
「またそういうコト言う」

生徒会仲間で友人の森が、手に持っていたものを僕に広げて見せた。
新聞部が作成している校内新聞だ。真面目な記事からスポーツ新聞のようなゴシップまで、ずいぶんと芸風の幅が広い新聞であり、年に何度かは大当たりの企画を出して勢とたちの話題に上ることもある。
その校内新聞の大見出しにはこうあった。

『はばたき学園の王子は誰だ！？』

「……なに、これ」
「お前も知ってるだろ、モデルの葉月珪。元祖『王子様』だよ」
「いや、よくは知らないけど」
「おいおいおい、マジかよ。まっ、簡単に言うと男版のミスコンみたいなもんだな！」
「それが、なにか？」
「この新聞によるとだな……」

森がかいつまんで説明してくれたところによると、葉月珪以来、王子と呼ばれるような生徒ははば学にはいなかったが、市内の羽ヶ崎学園にも同様に『羽学のプリンス』と呼ばれる人物がいるらしく、つまりは元祖としてそれに対抗して我が校にも王子を復活させよう、ということらしい。
何の意味があるのかは、僕にはよく分からなかったが、みんなが面白いのなら自由にやればいいじゃないかとおもう。生徒会主催、なんてわずらわしいことにはならないだろうし。

「で？　それのどこが耳寄り情報なわけ？　僕には関係ない話だろう？」

なんといっても僕はいたって普通の生徒だし。生徒会執行部なんかやってはいるけれど所詮は書記。会長や副会長のように目立った存在でもないし、森のようにムードメーカーでみんなの人気者というわけでもない。
むしろ女子なんかには「意外と絡み辛い」と噂されていることは、ちゃんと耳に入っている。

僕が疑問を口にすると、森はすぐに反論してきた。

「それが不思議なことに、お前も候補に入ってるんだって」
「はぁ？」
「ほら、お前って、遠くから見ている分にはカッコいいからなぁ、『王子様』ってのも分かる気がするよ」
「冗談じゃないよ」
「まったくだ。お前みたいのが『王子様』だなんて、俺はゴメンだよ」

カラカラと森は無責任に笑った。
僕は内心少し複雑な気持ちになる。

「王子なんていうのは、ほら。一年のアイツみたいなやつのことを言うんじゃないかって、僕は思うけど」
「ん？　誰だよ」
「この前生徒会に入ってきた、紺野」
「……ああ」
「とにかく、この企画、誰が喜ぶのか知らないけど僕には多分関係ない話だ。それじゃ、予備校に行くからまたな」

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羽学のプリンスとはば学の王子が学校交流で一緒に何かイベントをしたら、両行の女子生徒は大変盛り上がると思います。
けど顔だけなら完全プリンスな瑛くんと並ぶなんて、普通顔の赤城には無理だと思います。

というわけで、うちの赤城は王子には程遠い存在です。