プリンス対決

ご無沙汰しております。

この前の日記で書いた「プリンス対決」というのが地味にツボっています。
自分の中では
・はば学、はね学対抗試合
・両校の生徒会主催の文化祭の出し物
・デイジー3年生の時の企画。
・はね学生徒会長氷上くん。はば学書記赤城くん。
・はね学代表、プリンス佐伯瑛。はば学代表、一年生プリンス紺野玉緒

という設定で考えている。
瑛くんデイジーみなこ、赤城デイジーはパラレルで在学中に仲良し設定になっているあの子で。
玉緒さんは本当は嫌なんだけどみんなに駆り出されて嫌とは言えなくなっている。
瑛くんももちろん嫌がっているが、表面上は取り繕っている。

では実際に何を対決するのかとかそういうことは考えていない。

ということで、続きにちょっとだけ考えているところ。

生徒会の出し物も無事終わり、今度は自分の部活の出し物の準備をしなきゃならない。
赤城くんには、さっき今度はクラブの発表会だから、見に来てね、とメールをしておいた。忙しいみたいで返事は返ってきていないけれど、今日はそれが終わったら一緒に文化祭を回る約束をしているし、きっと見に来てくれると思う。

それにしても、赤城くんと一緒に文化祭を回れるなんて、夢みたい。
時間はほんのちょっとしかないけど、でもうれしいな。

わたしは部室から道具を運び出しているところだった。

「重たいから、気をつけてね」
「うん、大丈夫！」
「一緒に行こうか？」
「一人で平気だよー」

少し大きな段ボールを抱えて部室を出ると、向こうから女の子が二人やってきていた。
ここのあたりは部室が続く場所なので人通りはあまりないのに珍しい。
人が少ない分、彼女らの声はよく聞こえてしまった。

「生徒会のプリンス対決、面白かったね」
「うんうん。瑛くんもカッコいいけど、はば学にもレベル高い男子いるんだねえ」
「ホント。あの子、一年生でしょ？」
「真面目そうなところが、はば学っぽいよね。あ、それとさぁ、司会の人、見た？」
「見た見たー！！　あの人もはば学だよね」
「やっぱり見てた？　あの人こそ、出場すればよかったのにねー！」
「うん、もったいないよねー！」

司会の人って……。
わたしは、ステージの上でマイクを持って喋っていた赤城くんの顔を思い出した。
ああいうの、慣れているみたいな雰囲気で落ち着いた声で時々笑いを取りながらも上手に進行役をこなしてた姿、実はわたしはステージの上のプリンス達よりも赤城くんの顔ばっかり見てしまって正直本当に困ってしまったくらいだった。

（やっぱり、誰が見てもカッコいいよねぇ……）

赤城くんは「僕は全然向いてないよ、女の子にもモテたりしないし」なんて言ってたけど……、
見てる人はちゃんと見てるんだぁな……。

あーあ。ちょこっとはね学に来ただけでもこれだもん。はば学の女子の中には赤城くんのこと好きな女の子なんてたくさんいるんだろうなぁ。

ふぅっ、とため息をついて、わたしが段ボールを抱え直したそのとき。

制服のポケットの中でメールの着信音がなって、わたしは慌てて段ボールを床に置いて携帯を取り出した。

（あ、赤城くんだ）

「今体育館で待機中。終わったら会えるの楽しみにしているよ」

いつものように短いメールにさっきの気持ちも忘れるほどにうれしくなって、わたしは足早に体育館に向かって歩き出した。

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パラレルデイジーちゃんが赤城大好きっ子になっている……