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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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子どもの頃の話

この前書いた大地さんと一雪さんの子どもの頃の話。
もう何の二次なんだかわからない感じになってきていますね。



それはそうと、夏コミ1日目に参加できそうです!
乙女ゲージャンルと、別口でハマっている特撮ジャンル、ともに一日目なんですね、休めそう!
しかし今まで行ったことがないので少し不安でもあります、暑いしねー、体力がもつかどうか。
ともあれカタログ買ってきたし、今のところ行く気満々なのです!







(夏の思い出)




きょうは、じんじゃのおまつりにいきました。
おとうとのかずゆきといっしょです。ぼくたちはあさから、おまつりをたのしみにしていました。
かずゆきは、はやく「しゃてきがやりたい」とさわいだけれど、さいしょにじんじゃにおまいりをして、それからあそびにいくことにしました。

ひとがおおいから、おかあさんにいわれたように、まいごにならないようにきをつけなくちゃいけません。
それでも、もしまいごになってしまったら、じんじゃの、おさいせんばこのところでまちあわせをしよう、とかずゆきときめました。かずゆきは「うん、わかった」といったからあんしんしました。

それから、ぼくたちはいろいろなあそびをしました。このひのために、おこづかいをがまんしてためてありました。
でも、ぼくが、わなげをみているあいだにかずゆきがいなくなりました。
なまえをよんだけど、ぜんぜんみつからなくて、ぼくはしかたないので、じんじゃのおさいせんばこのところにいきました。
でも、いくらまってもかずゆきはぜんぜんきませんでした。
ぼくはせっかくのおまつりなのに、つまらないなあとおもいました。

そうしたら、いずみくんがむかえにきて、かずゆきがうちにかえってきたといいました。

かずゆきは、ひとりであそんでひとりでうちにかえってしまっていました。
ほんとうに、おとうとはじぶんかってだとおもいました。






「……なにこれ」

「絵日記」と表紙に書かれたノートをとじて、僕は目の前に座っている母親の顔を見返した。

「大地さんのお部屋の掃除をしていたら、出てきたんですって。処分してもいいかって聞かれたものですから、大地さんに確認しようと思って」
「確認も何も、いらないでしょうこんな古いもの」
「まあ! 一雪さんはいつもそう。小さな頃の記録や思い出は、大切なものなのよ?」
「大切だからって一から十まで大事に保管していられませんよ、お母さん。うちは広いと言ったって侯爵家のように無人そうに部屋があるわけでもないのだから」
「もう、現実主義でいらっしゃるのだから。一雪さんとお話していても夢がなくて面白くないわね」

思いっきり不満顔の母親に、「それは申し訳ございませんでしたね」と返し、ついでにその古びたノートも一緒に手渡した。

それにしても、こんなことがあったとは全く記憶がない。いや、兄貴と一緒に近所の神社の夏祭りに出かけていたことは覚えている。毎年夏になると楽しみで、お小遣いをもらってはそれを握りしめて兄貴と二人で出掛けて行った。
わたあめ、りんごあめ、とうもろこしの焼いたやつや、かき氷なんかをたべたり、宝くじをひいたり、亀を釣ったり射的や輪投げで景品を取ったり。今思えば何が楽しいのかよくわからないものにまで夢中になった。
年の近い友達は近所にはあまりいなかったから、大抵こういうときは兄貴と一緒だった。兄貴とはぐれて迷子になった記憶なんてないと思っていたんだけど、この日記をみるかぎり、兄貴の方はそうは思っていないみたいだ。

「そう言えば、そろそろ夏祭りの時期かな」

ぽつりと一人ごちると、そばにいた使用人の一人が日にちを教えてくれた。
それを聞いた母親が、なぜかぱああと顔を輝かせる。

「そうだ! 一雪さん、伊織さんを連れていってあげなさいな」
「えっ? 伊織を? どうして」
「どうしてって、伊織さんは初めてのお祭りでしょう。たまには遊びに連れて行って差し上げないと」
「しかし夏祭りなんて子どもじゃあるまいし、面白くもないでしょう」
「もう。だから一雪さんはダメなのよ!」

なぜか母親に叱られて面食らう。とりあえず僕は実母ながらこの人が少し苦手だ。悪い人ではないけれどいつまでも少女のように夢見がちで、それでいて赤城家の主人である父の伴侶をこれ以上ないほどに立派に務めあげている。
なんというか、表と裏の部分の差がありすぎて僕には彼女の思考回路がどうなっているのかよく理解できない。理解できないがゆえに、少し苦手だった。

「前々からいおうと思っていたんですけれどね、一雪さんあなた、伊織さんをちゃんと大切にしているの?」
「そりゃあ、ちゃんとしてますよ」
「嘘! だったらちゃんと一緒にお出かけしたり、お話したりしているのよね?」
「そりゃ、いつも仕事で一緒ですから……」
「ほら! まずね、伊織さんにお仕事をさせようというのがいけないわ、そもそも……」

ああ、これは長くなりそうだ。
僕は内心ため息をつきながら、そばにいた使用人に飲み物を用意してくるように目で訴えた。
それから、これからだいぶ続きそうな母のお説教をどうやって受け流そうか、それから伊織を夏祭りに誘うのはいつ言いだそうかということを考え始めていた。













お母様はこれでも教養のある立派なご婦人なんです。
大地一雪兄弟にだけこんなふうにおなりなんですよ。
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