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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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食後のお茶がうまい

仕事が終わりません、ゆうきですこんばんは。

家に持ち帰ってきたのはいいけれど、まったくやる気がなくて全然進みません。
これだったら職場でやった方がマシかもしれない。寒いけど。


というわけで、仕事ができない代わりにこんなんできました。
一日遅れの節分です。しかも赤城大地の話です。いろいろと注意書きを踏まえたうえでどうそです。






(鬼は外)

※赤城大地です。(赤城一雪の二つ上の兄) ←ここまでが公式設定
オリジナルキャラ、真琴ちゃんと付き合っている設定で、一流大学卒業後に小学校の教師になっています。
「少年アイカ」aikaさんの昨日のブログに影響されて、「大地さんが鬼役」というところで想像した。
というわけでaikaさんへの誕生日のお祝いとして書いた。





「鬼は外ー!」
「おにはそとー!」

子供たちの元気のいい声と、容赦ない豆つぶて。小さい豆だからって油断したらいけない、子供たちは結構本気で投げつけてくる。っていうか目がマジだからちょっと怖い。
それでもさすがに6歳児相手に負けるわけにはいかない。ちょっと驚かしてみたり、抵抗してみたりして僕もちょっとだけ楽しんでみる。
子供たちはキャーキャー言って逃げまどい、そしてまた遠くから豆を投げ付けてくる。
うん、僕も子供のころ父さんの鬼相手にやったよな。とか昔のことを思い出したりした。僕は相手が父さんだって分かっていたから、あんまり豆を投げつけたりできなかったんだけど、二つ年下の弟はいつも容赦がなかったよな、なんてことを思い出したりしながら。

どたばたやっていると、体育館の隅っこで固まっている女の子の集団が見えた。

「こわいよー」
「おかあさーん」

あぁ、やっぱりなあ。まだ一年生だから、泣いちゃう子もいると思ったんだ。だから僕は心配だって言ったんだけど……。
この格好じゃあどうすることもできないし。

「うわーーーーん、たいちせんせーーー、どこぉー?」

中でも一番大きな声で泣いているのが、案の定、ことこちゃんだった。
鬼をやらなきゃいけない、って言われたときに真っ先に思い出したのが彼女のことだった。怖がりで泣き虫の彼女が、鬼を前にして平気でいられるわけないと思ったんだ。
ことこちゃんは顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。かわいそうに。

なんだかんだでことこちゃんが気になってしまって、知らない間にそちらに近づいて行ってしまっていたらしい。

「ことこちゃん、あんまり泣かないで……」
「ぎゃーーー!! 鬼がこっちきたぁぁぁ、いやぁぁぁ!」
「ちょ……あ、そっか」

鬼の格好をしたままことこちゃんの名前なんか呼んだら余計怖がるに決まってるじゃないか。こんなことにも気がつかない自分のバカさ加減に呆れてしまう。
本気で泣き始めた(もとから本当に泣いてたけど)ことこちゃんに、周りの女の子たちも一緒になって一段と騒ぎ始める。
仕方がない、心配だけど、ここは僕が離れた方がよさそうだ、と思って踵を返そうとしたときだ。

「こっ、こっちに来るなーー!!」

バッ、と僕の前に立ちふさがった一人の男の子。
手に持った豆をものすごい勢いで振りかぶって投げつけてきた。

「おにはそとー!!」
「いてっ、ちょっと、本気で痛いけど……」
「おにはそとー!! ことこちゃんを泣かせるやつは、おれがゆるさないんだからな!」

……ああ。そういう。
一年生の他のクラスの男の子だ。名前は知らない。名札は付けているけど、ちょっと僕からは確認できない。というか、そんな悠長にしている余裕がない。

「鬼め、ことこちゃんをいじめるな! あっちいけ! あっちいけ!」

勇ましいことで。
僕はとりあえず鬼らしく豆をぶつけられてしまっては退散することにした。まだまだ、他にも鬼をやっつけたい子供たちがたくさんいることだしね。
体育館はものすごい騒ぎだ。もし僕が本当の鬼だったとしても、この子供たちのパワーには圧倒されて逃げてしまうだろう。
こんなに元気があれば、わざわざ災いをうち払わなくたって無病息災で一年間過ごせそうな気さえする。

ころ合いを見計らって、鬼は体育館から退場した。
今度は急いで着替えて、担任の子供たちを教室に連れて戻らなければならない。ことこちゃん以外にも泣いている子や、逆に興奮している子もいるだろうし、考えるだけでも骨が折れそうだ。




内心やれやれ、と思いながら体育館に戻ると、クラスの子たちがわらわらと近寄ってきた。

「あっ、大地せんせい!!」
「どこ行ってたの―? いまねぇ、鬼が来たんだよ!」
「そうだよ! せんせいがいないからことこちゃんがすごく泣いちゃったよ」
「でもねえ、鬼はみんなで追いだしたんだよ!」
「豆、まいたよ!」

口々にいろんなことを教えてくれる。
僕は人数を確認しながら、一人一人に声をかけていく。偉いね、とか、怖くなかった? とか。
みんなは「せんせいどこに行ってたんだよ」とか「先生が鬼だったんじゃないの?」とかきわどいことを言っていたけれど、その辺は軽く流しておくことにする。

そして、問題のことこちゃんは僕の顔を見ると猛然とダッシュして飛びついて来た。

「わぁぁぁん! たいちせんせーー!!!」
「うぉっ、こ、ことこちゃん!」
「せんせーのばかぁ、どこにいってたの!」

引っ込み思案でいつももじもじした恥ずかしがり屋のことこちゃんにしては珍しい。
それにしても、この子はなんでこんなに僕に懐くかな。
僕の足にひっついて離れないことこちゃんを見て、みんながズルイ、とかわたしも先生に抱きつきたい、とか危ないこと(僕の身体的に)を言い出したので、慌てて琴子ちゃんを引きはがす。

「ことこちゃん、鬼はもう逃げ出したって。大丈夫だよ」
「ぐすぐす……、ほ、ほんとう?」
「ねえみんな。鬼はどっかいっちゃったよね?」

うん、追いだしたよ! 楽勝だよ、と子供たちは口々にことこちゃんに声をかける。
初めは僕の顔を見てなんだか疑い深いような顔つきをしていたことこちゃんも、ようやくそれで納得してくれたようだった。
僕はことこちゃんの手をつなぎ、そしてみんなを見回した。

「さあ、それじゃあ教室に帰る前に、体育館のお掃除をしようね。このあと5年生や6年生たちがバスケ部で使うからね」

はーい、といい返事をしてみんなに満足し、それから掃除用具入れのほうに走っていくことこちゃんの背中を見送った。

そういえば、とあたりを見回す。
さっき、ことこちゃんを庇うために鬼に立ち向かってきた男の子はもうどこかに行ってしまっていた。自分のクラスのところに帰って行ったんだろう。
名前も分からなかったけれど、まだ幼い彼の恋が願わくばいい方向に向かうようにと、初恋をこじらせて長引かせた僕は何かに祈らずにはいられないのだった。





「……なんてことがあってさ。今日はいつもより余計に疲れました」
「お疲れさまでした。……ねえ、大地くんてさあ」
「ん? なに?」

夕食を食べ終えて、食後にお茶を飲んで一服して。
身体はつかれたけれど隣に真琴がいればすぐに疲れなんて消し飛んでしまうな、とぼんやり考えていたところに、その真琴がなぜかマジマジと僕の顔を覗き込んでくる。

なんだかその表情は、昼間相手にしている子供たちと同じように純粋で穢れがなくて。なんだ、僕は昼も夜も子供を相手にしているみたいなものだな、と妙に感心してしまったりした。

「大地くんてさ、天然のタラシだよね、やっぱり」
「はっ!? な、なにを言ってるの?」
「はぁ~あ、なんか、心配だなあ。そのうち教え子とできちゃったりしないでよね?」
「あのねえ!」

大げさにため息をついてみせる真琴の身体を引っ張った。
きゃ、とか殊勝な悲鳴をあげてこっちに倒れこんでくる身体を抱きとめて、驚いたような目を見つめる。

「冗談でも言っていいことと悪いことがありますよ? そんな悪いことを言うのは、この口ですか?」

返事は、聞こえなかった。





子供たちは天使のように純真なので鬼がたいちせんせいだなんて絶対に気づきません(笑)

あと、あんまりにも、たいちせんせい×ことこちゃんになってしまうので忘れないように彼女も出した(笑)

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