ときめき1000%

ん？あれ？　いや？　なんか混ざってますかね。
どうでもいいことですかね。

身体の調子が悪かったので、休日は出かけないで寝ていることにしました。

ひまだったので、買ったまま開封する暇がなかったGSダブルパックを開封。

誰から攻略しようかな―、と考えて、GS1蒼樹くんと天童君の同時攻略をすることにしました。

これ、前回もやってるのね→これ
だって、受験する学校変えるだけでいいから楽なんだもの。


そしてらもう蒼樹くんも天童君も可愛くって可愛くって、滾ってきたのよ、ときめき1000%よ。



続きはカッコつけすぎた感じがする　天童君のはなし

（行かないよね？）


2月22日。一流大学構内。
今日は入学試験が行われるため、構内には受験生である高校生が緊張の面持ちで集まってきている。

その中に、オレもいた。受験生として。

一年ちょっと前まではこんなトコにいるなんて、考えられなかった。だけど、奇跡っつーか、信じらんねーようなことも起こるってことだ。

（おせーな……）

とっくに開場時間は過ぎて、続々と受験生は建物の中に入っていく。
オレが待ってるヤツは、まだ来ていない。
まさか、オレに限ってアイツのことを見逃すとかそーいうのはないと思う。どんな人ゴミのなかだって、アイツの姿だったら見つけられると思う。
だから、アイツはまだ来てない。

（あいつのことだから、ドジって走ってくるとか、ありそうだしな）

優等生のお嬢さんのくせに、予想外にヘンな奴なんだ。
オレみたいなやつに付き合って勉強教えてくれたり、そういや、ゲーセンでぬいぐるみとるのも異常に上手かったし。

あいつのことを思い出していると、突然声をかけられた。

「……なに、ヘンな顔してるの？」
「ぅぉっ、いつの間に！」
「今来たとこ！　天童君、早いね」

背の低い、ちっこい女。もこもこがいっぱいついたコートに、毛糸の手袋をはめている姿はまるでガキのようで高校生には見えない。

「オマエが遅いんだろ。もうみんなとっくに来て中入ってんぞ」
「そうなの？　天童君は中に入らないの？」
「オマエ待ってたんだろ、見りゃわかんだろ」
「そうっか。ありがと」

へへ、と笑う姿にオレはぐっと唾を飲み込む。
やべぇ、頭ん中パーになりそうだ……。

「そんじゃ、中行くか……」
と言いかけたところで、オレの携帯に着信があった。

＊＊＊


「天童君？」
「…………」
「電話、喧嘩のはなし？」
「…………」

オレは何も言い返せない。
アイツのまん丸い目で見つめられると、どうしていいのか分からなくなって。オレは唇を噛んでアイツの視線から逃げた。

「仲間が捕まった」
「天童君、行かないよね？　ね？」

一歩、近寄ってきてアイツがオレの上着をつかむ。

「だって、今日は大事な……」
「…………悪ぃ」

アイツの言葉をさえぎって、オレは吐き出すようにそれだけ言った。

｢今まで好き勝手やってきて、自分だけ幸せになろうったってそう簡単には行かねえんだな」
「だって」
「オマエは馬鹿みたいだって思うかも知んねえけど、オレにとってはやっぱ、大事な仲間だから、見捨てらんねえよ」
「でもだって、天童君今から」

きゅっ、と上着を強くつかんでくるアイツの腕をそっと握った。
今にも泣き出しそうな顔を正面から見返してやると、その手の力は弱まって、やがてオレの上着から離れた。

「ゴメン。約束守れなくて。オマエは受かれよ。ぜってぇ受かれよ、いいな？」

アイツの手は、毛糸の手袋に包まれていて、ぬくもりなんかわからなかった。
いつかこいつの手を握りてえな、手袋越しじゃなくて。
そんな風に思いながら、オレは振り向いて走りだした。