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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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もう一人との出会い

いつの間にか、魁斗と出会うところまで書こうとしている自分がいました。

純度100%交じりっ気なしの妄想設定ですので、受け付けない方はごめんなさい。

私の中では、音羽くんは何もかも全部分かってて、分かってないキャラをやってるんだと思ってるんだ。








(三人目・1)





 僕の名前は音羽慎之介。職業はアイドル。……あれ? ここは王子様って言わなきゃいけないところだっけ? ねえ霧島くん……は、いないし。まあ、いいか。
 アイドルと言っても、今この世の中に、僕がアイドルだっていうことを知っている人は、そんなに多くない。なぜなら、僕たち(僕は一人じゃなくて、グループでアイドルをやることになっている)は、まだメンバーが足りていないし、そもそもグループの名前すら決まっていないのだ。
 今は、いつになったら本当にアイドルとして活動できるのか分からないけれど、歌やダンスのレッスンをする毎日を過ごしている。

(あ、メールだ)

 霧島くんにアイドルになろうと誘われて、それからの毎日は僕としては結構忙しかった。
 こうして、携帯をもたされるようになるなんて、三か月前の僕に言ったら多分信じてもらえないと思う。
 送られてきたメールには、すぐに事務所に来るようにと書かれていた。(あと、ちゃんとした服に着替えて来いとも書かれていた。こういうところ、霧島くんは時々ぼくのお母さんなんじゃないかとおもうことがある)
 これから少し昼寝して、そのあと隣のレストランで甘いケーキか何かを食べようと思っていたのにな。今日の予定が大幅に変更になったことを少し不満に思ったけれど、僕はできるだけ急いで(できるだけちゃんとした服を着て)事務所に向かった。

「霧島くん、おはよう」
「ああ、おはよう。今日は早かったな」
「うん、起きてたから」

 事務所の入り口で待っていてくれた霧島くんに挨拶をする。芸能界はいつでもおはようなんだって。いろいろと覚えることがある。
 霧島くんに連れられて向かったのは、事務所の上の方の階にある偉い人のいる部屋だった。こんな上の階に来るのは事務所に入るときの一度きりで、そのあとはなかったから随分と久しぶりだ。

「もう一人のメンバーが決まったぞ」
「ふうん、そうなんだ」
「俺は先にビデオを見せてもらったが、俺たちとは違うタイプだな。歌もダンスも抜群にうまいぞ」
「そうなの? でも、僕の方が王子様っぽいでしょ?」
「みんなそれぞれにいいところがある。シンにはシンの王子が、俺には俺の、彼には彼にしかできない王子があるんだ」
「そっか……」
「なにか不満なのか?」
「そうじゃないけど」

 僕は、アイドルの仕事について細かいことや難しいことは教えてもらわないようにしている。聞いても分からないし、すぐに忘れてしまうから。そういうことは、全部霧島くんにやってもらうし、僕がやらなきゃいけないことは霧島くんが考えてくれる。僕は彼を信頼している。
 僕は霧島くんに見つけてもらわなければ、今でも今日の住む場所に苦労している生活を続けていただろうから、そうじゃない暮らし方を教えてくれた霧島くんにはすごく感謝しているし、その霧島くんが僕のことを必要だっていう限りは僕はできる限りのことをしようと考えている。出会ってからそんなに長くないけれど、僕は今まで、霧島くん以外の人にこういう気持ちになったことはなかった。

「もう一人って、絶対に必要なの?」
「急にどうしたんだ」
「うーん。僕と霧島くん、二人だけじゃだめなのかなあって」
「事務所が三人組でと言っているんだから仕方ないだろう。さっきも言ったが、俺とシンにないものを、もう一人が持っているかもしれない」
「……うん、そうだね」

 こういうふうに真面目っぽいことを言うと、必ず誰かに「似合わない」とか「本当はそんなこと考えてないくせに」とか言われるから、いつからか口に出すのはやめてしまったけれど、霧島くんはそういうことも馬鹿にせずに真面目に聞いてくれる。
 僕が言うことを意味が分からないとか、もっとまじめにしろとかって言うこともない。

 そして、気がついた。僕は、もう一人に霧島くんを取られてしまうような気がしているのだ。
 子どもみたいな独占欲。そんなものが僕にあるとは思わなかった。

「今日は、顔合わせだ。向こうはもう中にいるはずだ」
「そう」
「乗り気じゃないみたいなら、やめておくか?」
「うーん?」

 どうなのかな。
 でも、これでようやく三人のメンバーがそろって、アイドルとして活動を始めることができるようになれば、霧島くんも嬉しいだろうし、それはいいことなんだと思う。
 そう言うと、霧島くんは眼鏡の奥で少し困ったように笑った。

「俺は良くても、お前がやりたくないことをしても仕方ないだろう? 俺は、お前もちゃんと、アイドルをやりたいと思ってやってほしいと思ってるんだが、それは無理だろうか」

 今度は、僕が困ったように笑う番だった。

「まだ、わかんないや。ごめんね」
「そうか。いつか、そう思わせることができるように、俺も努力しよう」
「大丈夫、ちゃんとやるよ。いこう」

 霧島くんがその部屋のドアを開けた。
 部屋の中には、事務所の偉い人と、もう一人男の子がいた。その子は急に開いたドアに驚いたのか、大きな眼を見開いてこっちを見ていた。






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