恋煩い日記
2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。
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偶然の出会い
霧島くんと音羽くんの出会いはこんな感じだろうと想像している。
これはだいぶ初期のころからずっとこういう感じだと思ってたんだけど、今日やけにはっきり具体的になってので書いてみるわけです。
ほとんど全部妄想なので、受け付けない方は申し訳ございません。
元ネタはツイッターで自分でつぶやきました。
「王子系ユニットのリーダーになれ、と言われて王子とは…と考えながら散歩していた隊長が、高いところに上って空を眺めながら泣いてるシンくんを見つけてああ、こういうのが王子(見た目)だろうと思って声をかけて、ユニットに誘うの。」
「お腹すいたってシンくんがいうから、レストランに連れて行こうとしたら甘い物が食べたいっていうから、流行りのドーナツショップに連れて行ったらフレンチ クルーラーの形がお花みたいだからってシンくんが選んで、変なやつだなって思うんだけど一口食べたらまた泣き出したからますます変なやつだと思う」
この続きは、いままだ書いてる。 書き終わるかどうかは……わからないけど頑張る。
これはだいぶ初期のころからずっとこういう感じだと思ってたんだけど、今日やけにはっきり具体的になってので書いてみるわけです。
ほとんど全部妄想なので、受け付けない方は申し訳ございません。
元ネタはツイッターで自分でつぶやきました。
「王子系ユニットのリーダーになれ、と言われて王子とは…と考えながら散歩していた隊長が、高いところに上って空を眺めながら泣いてるシンくんを見つけてああ、こういうのが王子(見た目)だろうと思って声をかけて、ユニットに誘うの。」
「お腹すいたってシンくんがいうから、レストランに連れて行こうとしたら甘い物が食べたいっていうから、流行りのドーナツショップに連れて行ったらフレンチ クルーラーの形がお花みたいだからってシンくんが選んで、変なやつだなって思うんだけど一口食べたらまた泣き出したからますます変なやつだと思う」
この続きは、いままだ書いてる。 書き終わるかどうかは……わからないけど頑張る。
(しあわせの味・1)
俺がシンに出会ったのは、本当に偶然だった。
アイドルとしてデビューしろ、「王子系ユニット」のリーダーとして、ユニットをプロデュースしろ、と言われたばかりの俺が、アイドルも王子もリーダーもプロデュースも、何一つとしてピンと来なくて常に悩んでいたころだ。
悩んでばかりいても仕方ないし、街に出てみれば何かヒントがあるかもしれない、そう思って特に目的もなく繁華街を歩いていた俺は、そいつを見つけた。
ひときわ高いビルの屋上、安全のために備え付けられた柵の外側にそいつは座っていた。下から見上げると、色素の薄い髪が日に透けてキラキラ光って見えた。
少し気になって近くに寄ってみると、そいつが泣いているのが分かった。とてもきれいな顔立ちをしていることと、空を向いたその瞳に何も映していないことも。
「何をしているんだ?」
気付いたら話しかけていた。
そいつは、びっくりしたように肩を震わせて、それから涙をぬぐいもせずにこちらを振り返った。
「だれ?」
「ああ、すまない。俺は霧島司という。下から、ここに人がいるのが見えたものだからつい見に来てしまった」
「いいけど。僕は音羽慎之介」
そいつ……シンはあまり表情のない顔でそう名乗った。
「泣いていたようだが」
「ん……? ああ、これ? 特に意味はないんだ」
「そうなのか?」
「うん。ここで空を見るのが好きなんだ。ここは、空に近いから」
「そうか」
としか、言えなかった。
シンはようやく頬を伝う涙を親指でぬぐって、その指を不思議そうに見つめていた。俺はそんなシンを不思議そうに見つめることしかできなかった。
下から見上げていたときは、これが王子なんじゃないかと思ったのだ。それくらい、シンの姿は絵画かファンタジー映画のようで、現実味がなかった。話をしてみたら一言目からだいぶ変なヤツだったが、「アイドル」で「王子」だなんてそんなありえない存在になれるのは、こういう奴なんじゃないかと思ったのだ。
「突然ですまないが、音羽くん、俺と一緒にアイドルにならないか?」
「随分と突然だねえ」
「だから、そう言った」
「ふふ。霧島くん、真面目だね。……っと」
シンはいいながら立ちあがり、屋上に備え付けられている柵を乗り越えてこちらに歩いてきた。
俺よりもすこし背が低い。日に透ける薄い色の髪と、同じような色の瞳。体つきは細く見えるが、肩幅はそこそこある……と俺は観察した。
俺の近くまで歩いてきたシンは、最初に見た時からほとんど変わらない表情で、こう言った。
「ねえ、僕おなかがすいているんだけど、なにか食べさせてもらえない? そうしたら、その話考えるよ」
**
昼食にも夕食にも中途半端な時間で、行きつけのレストランはちょうどディナーの仕込み中で閉店していた。当てが外れてどうしようか、と俺が思案していると、後ろから黙ってついてきていたシンが肩をつついてきた。
「霧島くん。僕、こういうところのご飯よりも、甘いものがいいな」
「甘いもの?」
「うん。僕、甘いの大好き」
「フム……」
そういった類の店はあいにくと記憶になかったため、俺はスマフォを操作して近隣のスイーツ店を検索した。ちょうど、一番最初に表示された人気店が近くにあるようだった。
「ドーナツで有名な店らしいが、そこでもいいか?」
「うん。いいね、ドーナツ」
シンは、口元だけで笑って見せた。俺は、こいつは表情がないのではないかと思った(人のことは言えないが)
いざドーナツ店につくと、シンはもの珍しそうにそこらじゅうをきょろきょろと見まわしていた。店内は甘い砂糖と油の香りが充満し、テーブルについているの は女性客が9割以上で、俺たちのような男二人連れはほかにはいない。しかしシンはそんなことは全く気に留めもせず、ショーウィンドウにかじりついた。
「うわぁ。これ、みんな食べていいの?」
「全部はちょっと……まあ、食べれるだけ注文すればいい」
「ありがとう」
シンはそれからショーウィンドウの中のドーナツを一つ一つ吟味し始めた。
俺はそれほど空腹ではなかったため、飲み物を注文して先にテーブルについていることにする。
席から眺めていると、店員たちがちらちらとシンのことを盗み見ているのにすぐに気がついた。店員だけではなく、他の客の女性たちも同様だ。本人は子どものようにドーナツを眺めているだけなのだが、彼には女性の目を引き付けるものがある。
やはり、ああいう人物が「王子様」であるにふさわしいのではないだろうか、と俺は少しアイドルへのヒントを得たような気持になった。ただそこにいるだけで人の注目を集める、ある意味カリスマのような魅力。
「お待たせ~」
トレイいっぱいにドーナツを乗せてシンがテーブルに戻ってきたのはたっぷり5分ほどたってからだった。そしてそれを見て俺はぎょっとした。
「なんで、全部同じもの……」
「ん? だってこれ、形がかわいいでしょ。お花みたいだし。えぇと、フレンチクルーラーっていうんだって。覚えられないから、あそこの子に書いてもらった」
トレイの上に紙ナプキンがのせてあり、そこには女性の文字でドーナツの名前と、ちゃっかり携帯番号がメモしてあった。しかしシンは番号のほうには一瞥もくれす、フレンチクルーラーの文字を嬉しそうに見つめている。
「僕、こんなの食べるの初めてだよ」
「そうなのか」
「うん。こんなお店があったんだね。もっと前に見つけていればよかった」
この店じゃないにしろ、チェーンのドーナツショップくらいどの町にもありそうなものだが。もしかして地方から出てきたばかりなのだろうか。なんとなく彼のいうことにちょっとした違和感を覚えた。
「いただきます」
意外にもきちんと手を合わせてそんなことを言ったので俺は少し驚いた。
そして、ひとくち食べるなり動きを止めて固まったので俺はまた驚くことになる。
「おい……どうした」
シンはその無表情な顔のまま、しばらく視線をドーナツに落としたままそれを突き刺さるような眼で見つめた。
「おい。音羽……くん?」
その瞳から、ポロリと一粒涙が頬を伝ったので、俺は本格的に戸惑った。大の大人が、一日に二回も泣くところを見るなんて、そうそうあることではない。
しかしシンはその涙に気づいた様子もなく、また一粒、ひとつぶ涙をこぼしながらフレンチクルーラーを見つめているだけだった。
あまり大きな声を出して、周りにいる客たちに気付かれてもまずい。俺は、こんなこと、男にする趣味はないのだが。と思いながら、少し身を乗り出して彼の頬を伝う涙を人差し指でぬぐった。さすがにそうすれば、こちらにも気がつくかと思って。
「……ん?」
思った通り、シンはようやく瞳の焦点を取り戻してこちらを見た。その涙でうるんだ瞳は、女性ならば一目で恋に落ちてしまうのではないかというほど煽情的だった。
「急に泣いたりして、どうしたんだ」
「あ。また泣いてた? 僕」
「ああ。自覚がないのか?」
「これね、特に意味はないんだ。だから気にしないで」
「そう、言われても」
「だめ?」
「別にいいが、ドーナツくらいでどうしたんだ」
そう尋ねると、シンは出会ってから初めて笑った。想像していた通り、俺が漠然と思い描いていた「みんなの王子様」そのものの完璧な笑顔で。
こいつ、表情がちゃんとあったのかと俺は場違いなことを考えていた。
「これ、すごく美味しいね。僕、こんなの初めて食べた」
「そんなにすごいドーナツなのか?」
「分かんない。でも、すごくおいしい。今まで食べたことがない味がするよ。きっとこれって、しあわせの味だ」
たかだか数リッチのドーナツをそこまで言うとは思わなかった。しかし、シンは笑顔を崩さずにまたドーナツを口に入れた。
「おいしい。霧島くん、ありがとう」
そう言って、シンはまた泣いた。
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