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恋煩い日記

2012年は毎日何かを書こう、という目標のもといろいろな創作をするブログになりました。

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出茂蔵志と道明寺かし子

今日から始まったタイムスリップ!大正 の期間限定チャレクエ食通の二人がかわいかったので。
勢い余ってやった。







(憧れのあの方から、まさか恋文が届くなんて……)

 道明寺かし子ははやる胸を押さえながら、女学校からの帰り道にいつも友人たちと通っているカフェーにひとり、訪れていた。
 この手紙に気がついたのは今朝。しかし学校にいる間、これを開くことはできなかったし、帰宅してからは母や父の目があり、ますます手紙を見ることなどできそうにない。

(ああ……神様……!)

 意を決して息を吸い込み、かし子は胸に抱いていた白い封筒を開いた。そしてそこにあった文字に目を見開いた。

(せ……請求書……!?)




**



(ああ、なんて僕はばかなんだろう……こんなだから学業もうまくいかないし友達にも先を越されて……)

 出茂蔵志は肩を落としながら学校からの帰り道を歩いていた。
 清水の舞台から飛び降りるくらいの一大決心をして恋文をしたため、彼女に届けさせたと思ったのに、肝心の本文の書かれた便箋が自室の机の上に残されていたときに一度死にたいと思ったし、代わりに全く関係のない請求書がなくなっているのに気がついたときには、本気で羽ヶ崎灯台から飛び降りようかと思った。
 しかし自分はそのどれを選ぶこともできず、こうしてうじうじとした気持ちを抱えたまま学校に通い、そして一日を終えて帰宅しようとしている。

(僕の恋は終わった……多分……。最後に彼女が好きだって言っていたお菓子でも食べに行こう……記念に……)

 彼女がこのカフェーの甘味が好きで、よく女学校の友達と来店しているらしいということは、彼女について知っているわずかな情報の一つだった。
 ふらふらと店に近寄り、外から店内をぼんやりとみると、そこに意中の彼女がいることに気がついた。

(か、かし子さん……!?)

 いつものように流行りの袴姿で、髪には大きなリボン。どこから見ても今時のモダンガールである彼女は今日は一人のようだった。
 それなりに来客もあり、にぎわっているように見える店内の奥まった席に一人で座った彼女は、テーブルにある飲み物にも甘味にも手をつけずに手に持った白い封筒に目を落としている。

(あ、あれは……)

 蔵志はあとも先も考えず、その店のドアを開けていた。








(続きはあるかも?ないかも?)

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